「結局、原因の種を植えたのはアメリカなんだね」ートルコシリア侵攻

解説-10月9日、トルコ軍はシリア北部の少数民族クルド人の武装組織「人民防衛隊」(YPG)の支配地域に対して、越境攻撃を開始しました。YPGはトルコ国内のクルド人の反政府武装組織「クルド労働者党」(PKK)とつながりがある為、YPGをテロリストと認定し、エルドアン大統領は「トルコに対するテロの脅威を排除するのが目的だ」と表明しています。

私は攻撃を仕掛けるトルコが悪いとか、トルコ国内の武装組織とつながりがある為、クルド人が攻撃されても仕方がないという見方ではなく、元をたどればアメリカのせいではないかという見方をします。

-トルコはNATOの一員。西側陣営のはずだが?

NATO(北大西洋条約機構)はアメリカを中心とした西側諸国がソ連(東側諸国)を中心に作られたワルシャワ条約機構に対抗して作られた多国間軍事同盟です。1949年に発足していますが、55年のドイツの加入よりも先の53年にトルコはNATOに加盟しています。

NATOは域内いずれかの国が攻撃された場合、共同で応戦・参戦する集団的自衛権発動の義務を負っています。このNATOが冷戦において果たした役割は大きく、同盟国内で軍事情報や核兵器までも共有することで、東側陣営に圧力をかけ続け、最終的にはソ連の崩壊まで追い込み、西側陣営の勝利に貢献しました。

トルコはそのNATOに早期から加入していた自由主義陣営=西側陣営の国です。そのトルコがエルドアン大統領の就任後は急速に独裁色を強めていきました。同時に、アメリカから離れ、ロシアに接近する動きを強めています。

-IS殲滅とクルド人

トルコのロシア接近にはシリアの内戦とIS(イスラム国)が大きく関わっています。2011年にチュニジアで起きたジャスミン革命を発端とする民主化運動の「アラブの春」に触発されたシリア国民が民主化を求め、アサド大統領はこれを弾圧します。これがエスカレートし、アサド政権と反体制派によるシリア内戦が勃発します。

アメリカを中心とした欧米諸国はシリアのアサド大統領に対して、民主化運動を弾圧し、反体制派に化学兵器を使用した疑惑などから、退陣を要求してきました。これに対して、中東に影響力を強めたいロシアは内戦時からアサド大統領支持を鮮明にしてきました。

民主化運動後の内戦では絶体絶命まで追い込まれたアサド政権でしたが、IS(イスラム国)の台頭により、命拾いをします。テロ組織にも関わらず、国を作ろうと画策したISはシリア領内に支配地域を広げていきました。また、その支配地域では人権無視の残虐行為が行われていることが明らかになっていきます。

ISは国際社会の絶対的な敵になり、国際社会が団結してISを壊滅させることが至上命題というコンセンサスが形成されていきます。その後、アメリカとロシアを中心として、IS壊滅作戦を実行していきます。当然、シリアの内戦はアサド政権、反体制派の間で継続されていましたので、シリア国内で、IS、アサド政権、反体制派の三つ巴の展開となってしまいます。

IS壊滅が最優先課題となってしまったことが、アサド政権の息を吹き返させることにつながってしまいます。IS殲滅の為という理由がロシアにシリア領内の軍事展開する口実となってしまったのです。

これに対して、アメリカは反体制派を支援する形で、IS殲滅を目指しました。しかし、アメリカはここで今回のトルコの越境戦争につながる失敗を犯します。シリア領内にいた「国を持たない最大の民族」と言われるクルド人民兵組織YPGを連携相手に選び、武器供与や軍事訓練を行い、ISとの地上戦を行ったのです。

結果としてISは壊滅しましたが、ロシアの支援を受けたアサド大統領は支配地域を広げ、反体制派の勢力は大きく減少しました。また、YPGの活躍もあり、トルコとの国境を接するシリア北部には、アメリカ軍が駐留する実質的なクルド人の自治区ができました。

実は、当時のオバマ大統領が地上軍を送ることができず、地上軍を事実上、「人民防衛隊」(YPG)に委任し、武器を渡してしまったことが、今回のトルコのシリア北部への越境戦争につながっているのです。

-トルコの視点に立てば・・・

この状況をトルコの視点に立つと、自国とシリアの国境に自国内の分離独立を目指すクルド人反政府武装組織「クルド労働者党」(PKK)と同じクルド人でつながりがある「人民防衛隊」(YPG)が存在しているのは、国防上の脅威です。

また、シリア内戦による難民の流入も止まりません。エルドアン大統領もEUが軍事攻撃を「占領」と呼ぶなら、数百万人の難民を送り込むと発言しています。EUへの難民流入を塞ぐ役割を押し付けておいて、エルドアン大統領が敵だと見なしているクルド人に肩入れするアメリカやEUに対する怒りも理解できる部分はあるのです。

結果的にとは言え、国内で手を焼いているPKKにつながっているシリアのクルド人に武器を供与し、国防上の脅威を増幅させてしまったアメリカに不信感を抱くことも理解できます。

トルコにとってみれば、シリア北部の国境沿いにクルド人の国家が出来てしまうことは何としても避けたい事態です。「敵の敵は味方」と考えれば、シリアのアサド大統領はクルド人を挟み打ちする上で、戦略上仲良くすべき相手となります。同じくその後ろ盾であるロシアも同様です。

だからこそ、2015年にはトルコ領内でロシア軍機が撃墜された後、悪化していた両国がいつの間にかガスパイプラインを繋ぎ、最新鋭地対空ミサイルを購入するまで接近しているのです。

まとめ:アメリカが紛争の種を蒔いて育てている

NATOの一員でありながら、武器をアメリカの潜在的な敵国であるロシアから購入するというトルコの行動は、本来であれば、アメリカが激怒してもおかしくないことです。しかし、トランプ大統領はオバマ前大統領のせいだと非難はしたものの、現実的にトルコに対して具体策を講じていません。

それどころか、今回のトルコから攻撃されているシリア北部でも、米軍が撤退すれば、トルコが軍事作戦を実施する兆候があったにも関わらず、撤退してしまいました。案の定、その翌日にトルコは越境攻撃を開始しています。

結果として、オバマ大統領の米陸軍を送らず、地上戦をクルド人に任せたという優柔不断さが、クルド人が武器を持つことになり、トルコの脅威と見なされました。また、トランプ大統領は「自国ファースト」を貫く為、そのIS殲滅に貢献したクルド人を見殺しにする形で、シリア北部から米軍を撤退し、トルコ軍の攻撃を招いた形です。

このように考えると、攻撃しているトルコも攻撃を受けているクルド人もどちらもアメリカの被害者とも見えてきます。当事者ばかりに目を奪われず、背後や歴史を見てみるという見方も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

「韓国にとって入試は現代版の『科挙』なんだね」

解説-韓国のチョ・グク氏は多数の疑惑がありながらも、最終的には法相に任命されました。その疑惑の中でも最も韓国民を怒らせたのが、娘の不正入学問題でした。思い出せば、朴槿恵前大統領が辞めるきっかけとなったチェ・スンシル事件の時もチェ氏の不正入学疑惑が一番韓国民の怒りに触れた疑惑でした。

このように、韓国国民は権力者が権力を行使して近親者を名門大学に入学させるという不正に対しては、とてつもない怒りを覚えるようです。一つには苛烈な受験戦争社会である韓国において、権力者が実力もないのに権力を使って、その戦争を不正に勝ち抜くことに対する怒りがあるのでしょうが、私は歴史的な視点から新しい見方をしたいと思います。

それが今回のセリフにもある「科挙」という単語です。この「科挙」という視点から見てみると、現代韓国民が権力者の不正入学に対して、何故ここまで怒りが増幅してしまうのかが説明できるのではないかと思っています。

-「科挙」とは

「科挙」とは中国が隋の時代に優秀な人材を登用しようとしてはじまった試験制度です。それまでの古代中国では、官吏登用は推薦による選抜で行われていました。しかし、それでは権力の独占につながり、優秀な人材が登用できないということで、公平な学科試験を通じて、人材登用を図る為に「科挙」がはじまりました。

これはかなり画期的なことで、出自に問わず、科挙に合格さえすれば、官吏になることができるということです。ヨーロッパでさえ18世紀くらいまで高官は世襲が当たり前だったことを考えると、出自に関係なく、能力によって出世できるという何百年も先の先進的な制度を6世紀の隋が先取りしていたと言えます。

この科挙は隋が滅びた後の唐以降の王朝にも引き継がれました。また、科挙は朝鮮半島にも伝わり、788年に高麗が導入し、その後1894年に廃止されるまで、科挙制度は存続しました。ちなみに日本でも平安時代に科挙が導入されましたが、世襲の貴族の強い反対により、定着しませんでした。

優秀な在野の人材を登用する為にはじまった科挙制度ですが、実際は試験が難しく、出題範囲も膨大なため、親がお金持ちで、勉強する時間を使える人間でなければ、合格することは難しかったと言われています。それでも、当初は出自に関係なく、優秀な人材を登用できる科挙という制度は当時の世界最先端の制度だったと言えます。

しかし、明の時代になると科挙の出題範囲が変わっていきます、それまで、広すぎた科挙の主題範囲を四書五行(論語・孟子・大学・中庸・易経・詩経・書経・礼記・春秋)に絞ったのです。これは朱子学の影響が強くなってきたことが原因とされています。

以前の科挙では、実際の政策に関する意見を聞く散文の試験もあったのですが、明の時代には四書五経をひたすら暗記した人間が合格するという試験に変わってしまったのです。そうなると、古典を知っている人間が合格していき、現実の政策には知見を持たない人材が高級官僚として政治を動かすことになります。

こうして、科挙制度は優秀な人材を登用する制度としての機能を実質的に終えてしまいます。私は朱子学が持つ「礼」を重んじることによって起きる、上下関係を重要視する思想こそが、東アジアの民主主義への発展を阻害している原因だと思いますし、この朱子学を国家公認学問として朝鮮半島では現在でもこの朱子学の影響が残っていると思います。

-朝鮮半島への影響

この朱子学の「礼」を重んじる結果、上下関係を重視する思想と科挙が組み合わさった悪影響が出てしまったのが朝鮮半島です。朱子学を国家公認学問とした結果、「両班」と呼ばれる特権階級を頂点とした身分制度が確立してしまいます。

次第に科挙を受けることができるのは、両班と両班の次の階級である中人と呼ばれる身分だけになってきます。しかも、中人は高位の官僚にはなれない仕組みになっていくばかりか、中人より下の階級の身分の者は、科挙を受けることができなくなってしまいます。

こうなると出自に関わらず、優秀な人材登用を行う制度であった科挙の本来の意義はなくなり、両班という特権階級守るための制度になってしまったのです。身分を越えて優秀な人材を差別なく登用する科挙が、逆に身分を固定化して下位の階級を差別する為の制度として機能したというのは何という歴史の皮肉でしょうか。

まとめ:「両班」になるための「科挙」への不正は許せない。

いずれにせよ、朝鮮半島では両班を頂点とした身分制度は日本に併合されるまで続くことになりました。その後時代を経て、現在の韓国は自由主義経済の民主主義国家ですが、財閥の力が強く、現代版両班と呼べる状況なっています。

財閥が現代版両班だとすれば、その財閥に入るための資格である学歴を得るための大学入試は現代版の科挙と言えます。ただ、李氏朝鮮時代と異なるのは、当時は「科挙」を受けるために階級の制限があったのに対し、現在はいずれの国民も大学入試を受けることができます。

その公平さを取り戻した大学入試=科挙に対して、権力を行使して不正を行うことは、財閥=両班への皆に開かれた出世の手段である「科挙」に対する冒とくであるということになります。だからこそ、韓国民はかつて両班が権力を独占し、下の階級の身分の者を搾取し、なおかつ両班が身分を世襲してきた歴史を(無意識にしろ)思い出すからこそ、権力者の子供の不正入試に対してこれだけ国民感情が爆発するのではないかと思います。

このように、ニュースの中にもいろんな歴史的背景があるかもしてないと思ってみる視点も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

「ボルトン氏の解任後、米国は米韓同盟を破棄し、北朝鮮と組む気なのかも」

解説-ボルトン大統領補佐官の電撃解任が発表され、その直後にサウジアラビアの石油関連施設が攻撃され、トランプ大統領はイランが関与しているとして、新たな制裁を検討しています。一気に中東情勢が動き出す気配がある中で、東アジア情勢も大きく変化していくと見ています。

-東アジアの変化

現在の東アジアは、近年にない大きな変化の兆しが見られます。一つは冷戦終結後の2000年台から中国が経済的に急速に台頭し、米国の世界覇権に挑戦していることです。それに対して、ようやくアメリカが中国の危険性に気が付き、対抗していこうとしているのが、現在の米中貿易戦争の本質です。

また、もう一つは朝鮮半島では親北の文在寅大統領により、韓国が北朝鮮へ傾斜していることです。親北どころではなく、従北もしくは北朝鮮の朝鮮労働党の秘密党員ではないかとの疑惑まで出ている文在寅大統領により、日韓・米韓関係も音を立てて崩れつつあります。

具体的に日韓間では自衛隊機へのレーダー照射事件、天皇陛下謝罪発言、自称徴用工判決が立て続けに起きました。現在は日本の輸出管理強化に伴う韓国のホワイト国除外に対して、韓国側も対抗して日本をホワイト国から外し、WTOに日本を訴えるといったように、日韓関係は戦後最悪レベルにまで冷え切っています。

米韓関係では日韓のGSOMIAの破棄により、日米韓で協力して北朝鮮に対抗していくという枠組みを韓国が一方的に破壊したことが象徴するように、米韓の同盟関係を破壊する動きが相次いでいます。例えば、在韓米軍の司令部がソウルから平沢(ピョンテク)に移転され、米韓合同軍事演習の規模が縮小され、大統領・統一外交安保特別補佐官の文正仁(ムン・ジョンイン)が「南北関係で最大の障害物は、国連軍司令部」と発言していることです。

国連軍司令部とは当然在韓・在日米軍のことです。同盟国のことを政府の人間が「障害物」と表現することは、大変な失言ですが、その後韓国内で特に処分されていないことを見ると、現在の文在寅政権の総意なのでしょう。

つまり、現在の文在寅政権は米韓同盟を必要としていないようです。このような韓国側の姿勢に対して、アメリカ側も米韓同盟は解消に向かうのではないかという声が出てきています。

アメリカの専門家からは韓国は歴史的に見て中国の属国だったという視点から、中国が韓国を引き剥がしにかかれば、米韓同盟の維持は難しい(CSIS(戦略国際問題研究所)のMichael Green副所長)との意見や、在韓米軍が地政学的な見地から韓国から撤退しないと思い込んで、反米を続けていると、フィリピンのように撤退することがあるとの懸念を示す意見(スタンフォード大学のシン・ギウク教授)が出てきています。

-米韓同盟の破棄を北朝鮮との取引材料に

そもそも、米韓同盟は冷戦時の主敵であるソ連に対抗する為に必要とされたものであり、ソ連が崩壊し、アメリカの主敵が中国へと替わったという状況を考える必要があります。アメリカからすれば、新たな主敵である中国に対しても韓国がアメリカと同じように対峙していく気がないのであれば、米韓同盟の存在意義は疑われて当然です。

実際に韓国はアメリカが中国包囲網の為の「インド太平洋戦略」に加わろうとしていません。そうなりますと、現在の米韓同盟は対北朝鮮と対峙する為だけにあるのが現状です。もちろん、北朝鮮のアメリカまで届く長距離弾道ミサイルと核兵器はアメリカの脅威です。それらの監視の為に在韓米軍が北朝鮮の隣の韓国に居ることはとても意味があります。

しかし、逆に言えば、北朝鮮の長距離弾道ミサイルと核兵器がなくなれば、アメリカにとっての脅威はなくなるわけですから、在韓米軍を置いておく意味は薄れます。韓国が現在のアメリカの主敵である中国に対して、アメリカと連携して中国と対峙する気があるのであれば、在韓米軍・米韓同盟は地政学的に意味がありますが、先述の通り、「インド太平洋戦略」に加わるどころか、THAADミサイルの配備ですら順調に進まない現状を見れば、韓国が中国と対峙する気がないとアメリカが判断しても仕方がないと思います。

そうであるならば、アメリカにとって在韓米軍(米韓同盟)を維持するよりも、北朝鮮の長距離弾道ミサイルと核兵器の脅威を取り除いて、在韓米軍を撤退させた方にメリットがあることになります。

そうであるならば、北朝鮮との取引材料として在韓米軍の撤退と米韓同盟の破棄を使うという考えはビジネスマンのトランプ大統領としては、十分に考えていることでしょう。北朝鮮は長距離弾道ミサイルと核廃棄、アメリカは金正恩体制の保証と在韓米軍の撤退という条件のディールは成立しそうな話ではないでしょうか。

まとめ:日本はどうするべきか

しかし、日本とってはこのディールはあまり良いものではありません。日本に届く短・中距離弾道ミサイルは温存される可能性が高いからです。また、在韓米軍が撤退すれば、朝鮮半島は統一され、現在の38度線はいずれ対馬海峡まで降りてきてしまいます。

それでも、北朝鮮の非核化が確実に行われるのであれば、日本にとって大きなメリットです。弾道ミサイルの脅威は残りますが、これに対しては日本も同じような抑止力として同じ様な弾道ミサイルを持つことと、イージスアショア等の迎撃体制を充実させることである程度の解決の目処は立ちます。

一番の問題は拉致被害者の奪還です。これには首脳同士の直接対話が必要ですし、不本意ですが併合時代の清算として、お金を支払うことになると思われますが、拉致被害者の奪還が何よりも最優先なのは言うまでもありません。これは、アメリカが先に金正恩体制の保証と国交正常化して、次に日本だという流れができれば、解決は可能であると思います。

拉致事件を全て解決した上で、日本も北朝鮮と国交正常化という流れになりますが、私はここでアメリカとも協議した上で、もう一歩踏み出すべきだと思います。具体的には、日米韓に替えて、日米朝の安全保障体制を作るということです。

日本にとって一番困るのは、韓国と北朝鮮が統一され、隣に核を持った巨大な反日国家ができることです。それを回避するには、この荒唐無稽ともいえる日米朝の組み合わせを作ることで、中国から北朝鮮を引き剥がす戦略しかないと思うのです。

中国が韓国を日米韓から引き剥がしにかかり、韓国が離れていくのであれば、対抗して日米は北朝鮮を中国から引き剥がし、こちらの陣営に引きこむという戦略は、一つの案として検討しておくべきだと思います。

幸か不幸か、北朝鮮は言わずと知れた独裁国家であるので、一瞬で態度を変化させることも可能です。アメリカにとっても北朝鮮と安全保障で協力できれば、北朝鮮が保有している短・中距離ミサイルの方向を西向きに変えるだけで、中国に対するけん制のカードとして使えるというメリットもあります。

もちろん、現実には中国と北朝鮮の間には中朝友好協力相互援助条約があり、軍事同盟関係にあり、今すぐに日米側に引き剥がすことは不可能です。しかし、この条約は30年更新で、次回の更新は2021年と間近に迫っています。

それまでに東アジアの情勢がどのように動いているのか予測は難しいですが、これまで完全に敵側だった北朝鮮と日米が組むという荒唐無稽な話も、共産主義の防波堤として存在していた韓国に共産主義国家の北朝鮮に自ら飲み込まれに向かう従北政権が誕生したことを思えば、荒唐無稽とも言えないのかもしれません。

このような大きな視点で、歴史と常識を合えて無視して見てみることも、人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

「TPP11があって良かった。勝つために、日米同盟を対等にしなきゃ」-日米貿易交渉

解説-9月25日、ニューヨークで日米の新たな貿易協定について、共同声明に署名し、最終合意しました。農産品の関税はTPPの水準まで引き下げる一方でコメの無関税輸入枠の導入は見送り、また、自動車の関税撤廃は事実上、先送りされました。

日本側が求めていた自動車・同部品の関税撤廃については、追加関税を導入しないとしたものの、関税は据え置いたままで、また、具体的な撤廃時期は示されず、継続して交渉するにとどまりました。一方、アメリカが強く求めていた農産品について、TPP水準までの大幅な譲歩を日本側が認めた形です。アメリカ側は米国の農業にとって、「非常に大きな勝利」と発言しています。

以上のことから、日本が全体的に押し込まれてしまったという評価を下されています。アメリカに完敗とか、外交的敗北という声で溢れていますが、本当にそうでしょうか。また、その根本原因は何なのでしょうか。

-TPP11の効用を報道しないマスコミ

今回の貿易協定は本当に日本の完敗なのでしょうか。日本側が要求していたのは自動車・同部品の関税撤廃です。しかし、トランプ大統領は関税の撤廃どころか、追加関税をちらつかせていました。今回の合意で、この追加関税の導入見送りを確約することができたものの、関税撤廃については継続協議にとどまっています。

一方、アメリカが要求していた農産物の関税については、72億ドル相当の関税が撤廃ないし削減されます。これは日本円にして約7760億円となります。トランプ大統領も「米国の農家や畜産業者にとって実に莫大な利益になる」と記者団に語っています。

これをみると、日本側はトランプ大統領の脅し文句を取り下げさせただけで、実際に自動車・同部品の関税は動かせず、アメリカ側は実際に農産物の関税を撤廃ないし削減させることに成功し、日本が無気力に完敗したように思えます。

しかし、私はトランプ大統領というWTO無視の自国ファーストのアメリカを相手に、十分健闘したと思います。この日米貿易協定を報じるニュースに出てくる「米農産物の関税をTPP水準まで引き下げる」という文言ですが、この中の「TPP水準」という単語の背景を何故解説しないのか不思議です。

この「TPP水準」というのは、トランプ大統領になってアメリカが急に抜けた後に、日本が主導してまとめた「TPP11」のことです。アメリカが抜けたTPPは意味がないという反対の声もあった中、当時の甘利TPP担当大臣が尽力してまとめ上げました。

この「TPP11」の関税水準があることによって、今回の交渉でもその基準が防波堤になったと言えます。トランプ大統領は米中貿易戦争でも特に根拠もなく、25%の関税を上乗せしていますし、メキシコへの不法移民流入に関しても5%の関税を課し、不法移民の流入が止まるまで段階的に上げていくといった無茶苦茶な関税の掛け方をする人物です。

そのトランプ大統領であれば、農産品の関税を0%にするように要求してきてもおかしくはなかったでしょう。それがTPP11の基準がある為に、中国やメキシコに対してのような無理な要求を食い止められたと見ることもできると思います。

-交渉力が弱い原因は何なのか

TPP11によって被害が食い止められたとしても、今回の交渉で全体的にアメリカに押し込まれたのは事実です。思い出せば、日本は戦後の日米の貿易に関する協議では常に押し込まれています。

その根本原因は何なのかにマスコミが触れることはありません。もっと強気に出るべきだったとか、交渉力がなかった為に押し込まれたかのような報道に終始します。今回もきっとそうでしょう。

そもそもアメリカは現世界の覇権国です。軍事力も経済力も世界一であり、国際決済通貨のドルを発行しています。また、日本はアメリカと日米同盟を結んでいます。この同盟は安保条約改正や平和安全法制で多少改善されたものの、現在も片務的であり、日本はアメリカ本土が攻撃されても出兵することはできませんが、アメリカは日本が攻撃されれば、共同して防衛にあたることになっています。

つまり安全保障の面で日米は対等な立場にないわけですから、最終的に安全保障を交渉の脅しに使われたら、日本は降りるしかないというのが、日本とアメリカの交渉の土台なのです。

まとめ:表面的な敗北に惑わされではいけない。

この条件の中でやるからには、日本が最終的に押し込まれてしまうのは必然です。そうした日本の交渉の弱さの根本を克服するためには、日本は憲法を改正して、自衛隊を国防軍にして、同盟国が攻撃を受ければ、日本も同盟国と共同で防衛に当たるという。本当の意味で対等な日米同盟を構築しなければならないのです。

対等な同盟関係になれば、安全保障を絡めた脅しにも対抗することができますし、アメリカではなく他国と同盟することもできるという逆の脅しもできます。(前記事で述べましたが、世界最強のアメリカ戦わなくて良いというのが、日米同盟の最大のメリットなので、日米同盟の解消は現実には、絶対に行ってはなりませんが)

しかし、マスコミはこうした日本の交渉力が弱い根本原因に触れることはなく、政府の交渉が悪いとしか報道しません。なぜなら、その原因が憲法にあることが国民に知られてしまうからです。私たち国民がこうした表面だけの報道に騙されることなく、日本の交渉力が弱い原因が何なのかを自分の頭で考えていくことが必要だと思います。

TPP11が効果を発揮したのではないかという見方と日本の交渉力の弱さが憲法に起因するものであるというマスコミが言わない見方も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

「小泉新大臣は汚染水の真実を発信するチャンスを潰したな」

解説-9月11日に行われた内閣改造の目玉は小泉進次郎氏の環境大臣就任でした。早速、福島第一原発の汚染水に関して、前原田環境大臣の「海洋放出しかない」との発言を関係者に謝罪するというパフォーマンスを行いました。

また、原発についても就任記者会見で、「どうやったらなくせるかを考え続けていきたい」と述べ、原発依存度を下げて、再生可能エネルギーの比率を高めたいという考えを示しました。

いずれも大衆ウケしそうで、自分のキャラクターを熟知しているなという印象ですが、今回の発言は、勉強不足と判断の悪さを露呈しており、国を導いていく政治家としては現状では期待できないと思います。

-トリチウム(三重水素)は海洋放出しても問題ない。

現在、福島第一原発から出ている汚染水について、中に含まれている放射性物質について、全く報道されていません。このことが、風評被害を生む大きな原因ですし、風評被害を恐れるからこそ、漁民の方々が海洋放出に反対しています。

そもそも、福島第一原発からどのように汚染水が出ていて、原田前環境大臣が「海洋放出しかない」と発言したことは、本当に間違いなのかについて検証していきます。

福島第一原発では事故によって生じたデブリ(融解燃料)を冷やし続ける為の水や雨水、地下水が放射性物質に汚染されることで、汚染水が発生しています。一時期よりは減ったものの、現在でも1日約170万トンの汚染水が発生しており、その汚染水は福島第一原発の構内に貯蔵されていますが、貯蔵スペースにもコストを負担することにも限界があります。

しかし、この汚染水の中身については何となく「放射性物質に汚染された危険な水」という認識しかない国民がほとんどではないでしょうか。科学的にこの汚染水を見ていくと、放射性物質に汚染された直後に専用の放射性物質除去装置の多核種除去設備 (ALPS)によって、トリチウム以外の放射性物質は告知濃度(法律で定められた放出のための濃度限度以下)にまで除去されています。

つまり、汚染水とは技術的な問題で除去が難しい放射性物質のトリチウムだけが除去できずに残っている水ということになります。このトリチウムは自然界にも存在している物質で、私たちが飲む飲料水にも含まれており、半減期は約12年です。また、トリチウムの放出するβ線のエネルギーは非常に小さく、被ばくリスクも小さく、体の特定の部位に滞留することも起こりにくく、人体への影響も他の核種と比べて非常に小さい為、海洋に放出しても問題ないとされています。

だからこそ、世界の原発では一定の基準以下にまで希釈されたトリチウムは海洋放出しても問題ないとされています。「放射線オリンピック」と日本を中傷している韓国の原発でもトリチウムは海洋放出されているのです。

-やるべきことは風評被害をなくすこと

汚染水に関して、「海洋放出しかない」という原田前環境大臣の発言は個人的見解を述べたに過ぎず、海洋放出の是非については経産省の委員会で議論されている段階です。しかし、上記のような科学的見地と世界での処理状況を考えると、結論は「海洋放出しかない」に落ち着くのではないかと思います。

国民の大多数も汚染水の内情について、マスコミが報道しない為、詳しく知ることもなく、何となく放射性物質が入って危険じゃないか程度の認識しかないのが現状です。そんな状況だからこそ、海洋放出に対して、風評被害が起きることは必然であり、地元で商売をしている漁業者が風評被害を恐れて、反対するのは当然のことです。

この現状を変えることこそが、国益であり、福島県の復興にもつながることです。汚染水問題を世界標準の方法に沿って、海洋放出によって解決し、国民に正しい知識を浸透させることで、福島県に対する風評被害を抑えて、地元の方々の生活を取り戻すことこそ、政治に求められていることです。

その為に小泉新大臣には自らが持つ人気と発進力を駆使して、風評被害の現況である汚染水に対する国民の認識を正すことが求められます。現状では、それとは真逆の謝罪パフォーマンスしかできていないことはとても残念です。

まとめ:将来の首相に向けた正念場

この汚染水問題だけでなく、就任会見での原発をなくし、自然エネルギー比率を増やしたいと発言もしています。どうしても、一連の反原発の言動の背後に父親の小泉純一郎元総理の影がちらついてしまいます。本当に信念を持って、反原発を主張するのであれば、国家としてのエネルギー政策についての所見を述べるべきです。

中東情勢が緊迫化している中で、原発を廃止しても、国内のエネルギー供給に問題はないのかといった海外要因も含めて、反原発を実現する為の具体的な政策を提言してほしいと思います。父親の純一郎氏は政治家を引退しているので、自分の理想を語るだけでも許されますが、政治の最前線にいる進次郎氏は理想だけでは政治が動かせません。

利害関係者の説得や党内の根回しといった水面下の汚れ仕事をこなせるようにならなければ、自分の実現したい政策は実行できません。進次郎氏は初当選から抜群の人気で、次の総理にふさわしい政治家としても常に上位をキープしています。しかし、今回の環境大臣就任により、政治家として成長できるのかを試される時が来ています。

大臣就任後の初手としては、汚染水について世界標準の処理方法について不勉強であったために、前大臣の海洋放出発言の謝罪というパフォーマンスにより、逆に汚染水の解決を遠ざけてしまったと思います。

ここから挽回して、本当の将来の総理候補になれるのでしょうか。異例の若さでの初入閣を見れば、国民だけなでなく、自民党も小泉氏には期待しているのは確かです。

私としては、まずは汚染水について正しい知識と世界標準の解決法を勉強して頂き、自身の人気と発信力をフル活用して、マスコミを動かすことで、国民に正しい知識を浸透させ、地元を説得させた上で世界標準の海洋放出を行うことができるような政治家に成長してほしいと思います。

「主体思想信奉者のチョ・グク氏の強行任命はワイドショーネタの笑い話じゃないよ。」

解説-文在寅大統領は数々の疑惑が浮上していたチョ・グク氏を法相に強行任命しました。いくつもの疑惑が出てくることから、「玉ねぎ男」と揶揄され、日本でも面白おかしく取り上げられていましたが、背景を知ると笑えない未来が待っている可能性があるのです。

このチョ・グク氏は北朝鮮の政治思想である主体(チュチェ)思想を信奉していることを隠していません。文大統領自身は主体思想派であることを表立っては認めていませんが、自他共に認める北朝鮮派のチョ・グク氏を強行任命することは、韓国政府が北朝鮮派に乗っ取られた革命政権であることを隠さなくなったと言えるのです。

-主体(チュチェ)思想とは

主体(チュチェ)思想とは朝鮮労働党および北朝鮮の指導指針とされる思想です。基本的な考え方は「人間が全ての主人公であり、全てを決める」ということです。個々の人間が主人公であり、一人ひとりが「主体」的に行動し、政治・経済・思想・軍事全てにおいて自主・自立を貫く国を作ることが正しいことだとされます。

しかし、一人ひとりが個別に行動しても、帝国主義や軍国主義や金融資本といった悪い勢力に潰されてしまいます。だから、そのような勢力に負けない為に、一人ひとりの人間が団結して、組織的に動くことが必要だということになります。

この組織を人間の身体に例えると、組織的に動くにあたって大事なものはその組織を指導する「頭脳」です。その「頭脳」が指示を出して、「神経」である朝鮮労働党が指示を全身に伝達し、「手足」である人民が動くことで、組織としての身体が正しい方向に動くことができます。

そして、「頭脳」には革命的血統を持つ正しい方向に導いていける指導者がいて、これが金一族のことです。「頭脳」が倒されれば、身体の「手足」である人民も全滅してしまいます。だから、人民は全ての犠牲を払って、時には命を投げ出しても「頭脳」を守ることが正しいこととされます。

お気づきの通り、この思想は金一族独裁体制を支える為だけの思想です。人民に金一族に対する絶対の忠誠を植え付ける為の思想にすぎません。現在の北朝鮮を見れば、自主・自立した国で、人間が主人公となった国家とはとても言えません。

それでも、北朝鮮の人民はこの主体思想を徹底的に教育されることにより、金日成・金正一・金正恩と3代に渡って続く、独裁者を絶対に守るべき「頭脳」として、犠牲を払わされ、崇拝させられているのです。

-韓国の主体思想派の謎

独裁国家である北朝鮮国内であれば、情報も遮断され、教育も徹底され、反抗すれば政治犯収容所に入れられてしまう為、ほとんどの国民が主体思想に染まってしまうことは納得できます。しかし、情報も自由に入ってくる民主主義国家であり、北朝鮮を主敵としているはずの韓国で、主体思想を信じてしまう人がいる理由はなんでしょうか。

これは北朝鮮が入念なスパイ活動により、司法界、メディア、教育界、そして労組を主体思想に染めていったからです。しかし、それでも金一族という独裁者を礼賛する思想が(仮にも)民主主義国家である韓国で受け入れられたという理由は、韓国に比べ、北朝鮮の建国の歴史のほうに正当性があるように感じられる部分があったからではないかと思います。

北朝鮮の建国の歴史は、抗日パチルザンという朝鮮独立運動神話が大きく関わっています。この神話では、日本の統治時代に満州で抗日パチルザンを組織していた伝説の金日成将軍が、日本軍を打ち破って、1945年8月に凱旋帰国し、北朝鮮の指導者となったとされています。

北朝鮮の建国の歴史は、抗日パチルザンという朝鮮独立運動神話が大きく関わっています。この神話では、日本の統治時代に満州で抗日パチルザンを組織していた伝説の金日成将軍が、日本軍を打ち破って、1945年8月に凱旋帰国し、北朝鮮の指導者となったとされています。

本当は、伝説の金日成将軍と金正恩委員長の祖父の金日成国家主席は年齢が合わず、別人であるという話や、日本軍を打ち破るどころか戦闘自体がなかったのではないかという話もあります。なので、これらの建国の歴史はあくまで神話なのですが、アメリカから開放してもらい、アメリカの傀儡の李承晩が初代大統領になった韓国側から見たら、朝鮮独立の為に日本と戦い、まさに「主体」的に日本を打ち破って国を建国した北朝鮮のほうが、朝鮮民族としての正当性があると感じてしまう人もいるのです。

実際には北朝鮮もソ連の傀儡政権であり、全く「主体」的とは言えないのですが、朝鮮を併合していた悪の日帝を打ち破り、核開発に邁進し、大国アメリカを手玉に取って「主体」性を維持しているというストーリーに見えてしまう韓国民が存在しても、仕方ないのかもしれません。

加えて、そういったストーリーを喧伝する主体思想派がマスコミや教育界に巣食っていますので、主体思想のバイアスが掛かった教育や報道を受けて育った韓国国民が増えているのです。その結果として、北朝鮮に対する脅威は矮小化され、今回の文在寅政権という従北政権の誕生へと至っているのです。

まとめ:韓国という国はなくなるかも?

文在寅政権は就任以来、対北朝鮮に対しては一貫して融和姿勢であり、政権内部には主体思想派が多数存在すると言われています。対北政策では、米韓合同軍事演習の縮小、南北境界線の地雷の撤去、国内情報担当官の廃止、GSOMIAの破棄と韓国軍の弱体化政策をとり続けています。

これは文在寅大統領が北主導の統一に向けて進んでいる一つの状況証拠とも言えます。この従北の姿勢に反発した韓国軍人と外交官OBが「文在寅政権の国家安保蹂躙(じゅうりん)行為を弾劾する」という激烈な声明を発表しています。また、数万人単位の反文在寅大統領の集会も行われています。このように、このままでは韓国が危険だと感じている韓国民もいますが、そういった声は韓国のマスコミはほとんど取り上げません。

その文在寅政権の最後の仕上げがチョ・グク氏の法相就任なのです。主体思想派のチョ・グク氏が法相に就任したら、保守派の大弾圧を行うでしょう。既に韓国では政府寄りのメディア以外は壊滅状態ですが、完全に絶滅状態にまで至るでしょう。主体思想によれば、一番大事な「頭脳」は金正恩様なのですから、それに反する批判は許すはずがありません。

就任後も娘の事情聴取が行われるなど、検察の最後の抵抗が続いていますが、ここで検察が押し切られることがあれば、韓国の検察は思想警察と化し、文政権や北朝鮮を批判する政治家や言論人は文字通り抹殺されるでしょう。その後、文在寅氏の予定通りにチョ・グク氏が不正選挙により、次の大統領に就任し、韓国が吸収される形での朝鮮半島統一に向かうと思われます。

それほど、主体思想思想派であることを隠していないチョ・グク氏の法相就任は韓国国家的危機とも言える事態なのです。マスコミはチョ・グク氏が主体思想派であることを報道しません。「玉ねぎ男」とか、文大統領がお友達を強行指名しようとしているだけと言った認識では、この先の韓国政治の動きを見誤る可能性があるのではないでしょうか。このような視点も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

北朝鮮・新型ミサイル-「アメリカが北朝鮮と組むシナリオもあるかも」

解説-北朝鮮が今年に入って短距離弾道ミサイルの発射を繰り返しています。これに対して、弾道ミサイル発射は安保理決議違反にも関わらず、トランプ大統領は問題にしていません。G7サミットでもこのミサイル発射を問題とする日本と問題としないアメリカの温度差がありました。

英・仏・独も共同声明としてこの弾道ミサイル発射を非難する共同声明を発表しました。地理的に東アジアから遠く、直接の脅威になりにくい欧州の3ヵ国が懸念を示しているにも関わらず、在日・在韓米軍が駐在しているアメリカのトランプ大統領がこの短距離弾道ミサイル発射を一貫して問題としない姿勢は不可解です。

-新型ミサイルは迎撃できない?

北朝鮮は5月4日以降、合計9回の短距離弾道ミサイルを発射しています。っミサイルの種類としては、一種類がロシア製の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」に類似した新型と分析されており、もう一種類は米国製の地対空ミサイル「ATACMS」に似ているという指摘もあります。

いずれのミサイルも単純に放物線を描くこれまでの弾道ミサイルの軌道と異なり、軌道の途中で水平飛行に移る特殊な飛び方をする為、従来のミサイル迎撃システムでは撃ち落とすことが難しいと分析されています。

これは第一には韓国に対しての脅威です。今回の9回の発射いずれも韓国内をカバーする射程の距離しか飛んでおらず、韓国国内どこでも狙えるミサイルです。もちろん、発射の角度を変えれば、西日本の一部までは十分届く距離なので、日本にとっても脅威であることは間違いありません。

しかし、第一の目標は韓国なのですから、韓国内の在韓米軍にとっては脅威になるはずですが、トランプ大統領は問題ないという姿勢を崩していません。これは私が前の記事で「アメリカは在韓米軍を撤退させ、米韓同盟の解消に向かう」という主張の傍証になる出来事であると思います。

-だれが米製の「ATACMS」を北朝鮮に流したのか

トランプ大統領が今回の一連の短距離弾道ミサイル発射について問題としない姿勢でいることについては、アメリカがいずれ在韓米軍を撤退させるからアメリカ人は死なない、だから問題がないのだという仮説で説明が付くと仮定します。

しかしそれでも、8月24日の新型ミサイルが米国製の「ATACMS」に似ており、北朝鮮にアメリカの技術が流されたという重大な事件に対してアメリカが反応していないのは何故かという疑問が残ります。

どこから北朝鮮に流れたのかと考えた時に、最初に思い浮かぶのは親北どころか従北とも呼べる文在寅が大統領を務める韓国でしょう。もし、犯人が韓国であれば、それだけで米韓同盟の解消に直結するような大問題です。

次に考えられるのは北朝鮮のハッカー部隊によるハッキングです。北朝鮮のハッカー部隊は非常に優秀と言われており、日本のコインチェックからの「XEM」という仮想通貨流出事件の犯人も北朝鮮のハッカー部隊ではないかとの噂もあります。

この北朝鮮のハッカー部隊が犯人であれば、アメリカの軍事情報のネットワークセキュリティの強化が急務となるはずですが、アメリカ軍にそのような動きはありません。

このような状況を考えると、一つの突拍子もないようなシナリオが頭に浮かびます。それが今回の一言に繋がるのですが、アメリカが北朝鮮と組むシナリオを考えているということです。

-まとめ:アメリカが北朝鮮と組むシナリオ

最初にこのシナリオは、今回の北朝鮮が発射した新型ミサイルが米製の「ATACMS」だと仮定した場合が全ての前提であることを先にお断りしておきます。(ロシア製の「イスカンデル」の改良品であるという説もありますので)

まず、「ATACMS」の技術やミサイル本体そのものを韓国が流出させていたとしたら、アメリカ軍は軍事統制権を持っていますし、韓国軍の指揮権はアメリカ軍の司令部にあることを考えるとその流出事態は掴んでいるはずです。また、北朝鮮ハッカー部隊のハッキングによるものであれば、同じく当然アメリカ軍は盗まれたことを認識していると考えられます。

であるとすれば、いずれの異常事態にも表立って反応しないということは、アメリカは流出したことを黙認しているということになります。ここで、今回一連の北朝鮮がいずれも東側の日本海に向けて撃ったミサイルを、反対の西側に向けて撃ったと仮定します。

そうすると、いずれも北京をはじめ、中国の主要都市に全て届く弾道ミサイルと言うことができます。私のブログで何度も記事にしている通り、現在のアメリカの主敵は完全に中国であり、その為に自国に痛みを伴っても経済戦争を仕掛け、サプライチェーンの引きはがし戦略を取り、中国の覇権主義を抑え込むために「インド太平洋戦略」という戦略を取っています。

もし、北朝鮮がアメリカと組むことになれば、中国の喉元に中国の主要都市を攻撃できる短距離ミサイルを持った脅威が突然出現することになります。金正恩委員長としては金王朝の体制保障だけが唯一の要求であることは、過去2回の米朝首脳会談から明らかですし、北朝鮮は8月に行われた米韓合同軍事演習でも韓国のことは激しく非難しましたが、アメリカに対しては一貫して批判のトーンは控えめです。特にトランプ大統領個人に対しては米朝首脳会談以降、罵るような発言は出てきていません。

逆にトランプ大統領も金正恩委員長に対して、米朝首脳会談以降、「恋に落ちた」とまで表現し、第二回の米朝首脳会談が物別れに終わった後も、親書を送り合うばかりか、電撃的に板門店で会談し、アメリカの大統領として初めて北朝鮮国内に足を踏み入れるパフォーマンスを披露しています。

このように考えると、北朝鮮が核を放棄し、アメリカが金王朝の体制保障をするという交渉に、北朝鮮の短距離弾道ミサイルはそのまま認める代わりにアメリカと軍事協力を行い、中国にミサイルの標準を向けるとことを条件とするという新しい要素を加えると、この交渉は北朝鮮にとってもアメリカにとっても悪くない交渉に思えます。

もちろん、現状では北朝鮮は中国と中朝友好協力相互援助条約を結んでおり、北朝鮮をアメリカが取り込むのは簡単ではありません。しかし、この条約は20年ごとの自動更新ですが、奇しくも2021年7月に自動更新の時期を迎えるという絶妙のタイミングでもあります。

今回の一言はあくまでも頭の体操のような突拍子もないシナリオの一つですが、こんなシナリオが有り得るくらい、現在の国際情勢は混沌としています。日本もいろんなシナリオを想定した上で、国際社会を生き抜いていくかじ取りをしていく必要があると思います。このような常識を疑うような視点も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

ホワイト国除外・対中国-「トランプ大統領の『台湾」という布石が効いてきたな」

解説-8月28日、日本政府は韓国を輸出管理で優遇措置の対象としている「グループA(ホワイト国)」から韓国を除外しました。これにより、韓国はアジアの他の各国と同じ輸出手続きを取る必要があるグループに分類されることになります。

また、8月24日に自動延長予定だったGSOMIA(軍事情報包括保護協定)は韓国側の通告により、破棄が決定されました。アメリカは韓国のGSOMIA破棄を「失望した」という強い言葉で非難し、トランプ大統領もG7の席で「文在寅という人は信用できない」などと異例の他国首脳批判をしています。

前回の記事でも書きましたが、このGSOMIA破棄は日米韓という東アジアの安全保障体制の転換点であり、韓国は日米から離れ、中国・北朝鮮側に流れたということです。この後、東アジアにおける安全保障体制の再構築が行われると予想されます。これについて詳しく説明していきます。

-東アジアにおける韓国の役割とは

今日までの韓国の東アジアにおいての役割とは、「共産主義勢力の防波堤」でした。第二次世界大戦後、世界は共産主義圏のロシア・東側諸国と自由主義圏のアメリカ・西側諸国に分断されました。

世界各地で分断国家ができ、ドイツは東西に分断され、ベトナムは南北に分断され上に戦争も勃発しました。東アジアでは朝鮮半島が分断され、1950年からは南北で朝鮮戦争が起こっており、今も終戦していません。

こうした東西冷戦の歴史の中で、韓国はソ連・中国・北朝鮮といった共産主義圏からの防波堤の役割を果たしてきました。その為、在韓米軍が駐留し軍事的なプレゼンスを高め、経済的にも日本をはじめ西側諸国からの投資もあり、順調な経済発展を進めてきました。これは東西冷戦という情勢の中で、アメリカにとって韓国が東アジアにおいて地政学上、重要な位置にあったからです。

しかし、ソ連の崩壊があり、東西冷戦が終結すると、共産主義圏の脅威はなくなるわけなので、アメリカにとって、韓国の重要度は下がります。それでも、1990年代には北朝鮮の核開発問題が顕在化し、もう一度韓国の重要度は上がりました。

また、2000年代以降は、今度は中国の急速な経済発展による強国化と覇権主義が顕在化し、中国と対峙する最前線として、韓国の重要度は上がっていると見ることができます。

日本も日清戦争から日露戦争に至るまで、朝鮮半島の扱いについて、苦労してきたことを考えると、やはり歴史的に見ても、朝鮮半島というのは地政学上、大国にとって頭を悩ませる重要な地域であることは間違いありません。

-トランプ大統領の登場により、世界は大きく変わった

ところが、トランプ大統領の登場により、アメリカにとっての朝鮮半島の地政学上の重要性は変わっていませんが、アメリカの世界戦略が大きく変わったことが、韓国の運命を変えます。

トランプ大統領は選挙中からアメリカファーストを公言し、大統領になってからも公約通りの政策を実行し続けています。アメリカファーストの視点で見れば、アメリカ軍の海外駐留費は無駄ということになります。

もちろん、そんな単純な話ではなく、アメリカ軍の軍事プレゼンスがあることで、外交交渉や貿易交渉に有利になるだけでなく、海運・空運・陸運がアメリカの軍事力によって確保されることで、アメリカの国力の根幹であるドルを基軸通貨とした自由貿易体制が世界中で保障されているという巨大なメリットがあるのですが。

それでもトランプ大統領自身はアメリカファーストを公約に掲げて当選しているため、NATOの軍事負担を増やすよう圧力を掛けたり、米軍駐留費用の引き上げを各国に求めています。

その動きの中で韓国はミサイル防衛システムTHAAD配備の問題で、中国の圧力にフラフラした態度を取り、ファーウェイ排除の問題でも中国との関係を気にして、はっきりとした態度を示すことができませんでした。

その後、北朝鮮への背取りが見つかるのを恐れたのではないかとも言われる自衛隊機のレーダー照射や、アメリカが仲介したいわゆる慰安婦に関する日韓合意に基づいた財団の一方的な解散など、韓国の度重なる裏切りとも取れる行動により、韓国を切ることを決断したのだと思います。

その証拠が今年6月に在韓アメリカ軍の司令部をソウルからより南方のピョンテクに移転されたことと、戦時作戦統制権の移転が具体化してきたことです。軍事作戦統制権とは、戦争時に軍隊の作戦を指揮する権限のことで、朝鮮戦争以来、国連軍司令官や在韓米軍司令官が掌握しており、現在は在韓米軍側にある権限のことです。この権限を米軍が韓国軍に引き渡すという交渉は盧武鉉大統領の時代から行われてきていましたが、韓国側がズルズルと延期してきていたものです。

この戦時作戦統制権が韓国に返還されると、現在の米韓合同司令部は解体され、韓国の防衛は韓国軍が主導し、米軍がサポートする体制に代わります。国の主権を取り戻すという意味では韓国にとって喜ばしいことのように思えますが、言い換えれば、米軍は本気で韓国を防衛する気はないというサインでもあります。

それを恐れて、これまで韓国は交渉でズルズルと返還を引き延ばしてきたのです。しかし、トランプ大統領はそんな交渉を許す人物ではなく、在韓米軍の撤退は駐留経費が浮くというメリットもあるため、返還が早期具体化しつつあるのです。

この動きはアメリカ軍が韓国から撤退し、米韓同盟が解消されるという流れの上にある動きで、アメリカは中国の覇権主義からの防波堤の役割を韓国には求めないという戦略の転換を図ったと捉えるべきだと思います。

-中国覇権主義にはセキュリティダイヤモンド構想で対抗

冷戦時代の共産主義に代わって中国の覇権主義が今日的脅威として台頭しており、実際に米中は貿易戦争を戦っている最中であり、中国の封じ込めはアメリカの重量な世界戦略における課題です。その中で最前線である韓国からアメリカが手を引くということは、必然的に日本が最前線になってしまうことになります。

その対抗策として、安倍首相はセキュリティダイヤモンド構想に沿って外交をしています。これは2012年に発表された英語論文です。概要はオーストラリア、インド、アメリカの3カ国と日本を四角形に結ぶことで、4つの同じ価値観を共有する民主主義国家の間で、インド洋と太平洋における貿易ルートと法の支配を守るという主張です。当然、中国を念頭に置いており、重要なシーレーンの安全確保と南シナ海への中国の国際法を無視した海洋進出をけん制するための戦略です。

この構想が発展し、トランプ大統領の理解も得て、2017年11月に日米共同外交戦略として発表されました。その後、2018年12月には「アジア再保証イニシアチブ法案」が上院・下院の全会一致で可決されます。その中では、インド太平洋地域における合衆国の国益を再保証することと、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指すことが定められています。

その過程として、日本やオーストラリアなどの同盟国との防衛協力強化とインドとの先約的パートナシップの強化が挙げられています。安倍首相の構想がアメリカ議会と大統領の署名を経て、正式にアメリカの国家戦略となったのです。

-まとめ:トランプ大統領は『台湾』という布石を打っていた?

このアメリカのインド太平洋についての戦略に欠かせないのが台湾です。台湾は国として認められていないため、国連に加盟しておらず、アメリカとも正式な国交はありません。

しかし、中国への対抗していくためには台湾は地政学上、大変重要な地域です。アメリカはそのこと十分に承知しており、2018年の3月に台湾旅行法という法律を制定しています。

これにより、アメリカは閣僚級の高官や職員などすべての地位の米政府当局者が台湾に渡航し、台湾側の同等の役職者と会談できることや、逆に台湾高官も同じようにアメリカの当局者と会談することができるようになりました。これにより、理屈の上ではトランプ大統領の台湾訪問や、蔡英文総統のアメリカ訪問も可能になりました。

また、軍事面でも台湾への支援を強めており、今年7月にはミサイルや戦車等2400億円以上を売却しています。極めつけは今年の6月にアメリカ国防省が「2019年インド太平洋戦略報告書」の中で台湾を協力すべき対象「国家(country)」と表記したのです。

これは台湾と中国本土を「一つの中国」とする中国共産党政府の方針に真っ向から対立するものです。台湾がアメリカに国家として承認されたということになれば、中国政府が台湾に「内政問題」として軍事侵略することをアメリカが許さないということになります。

ここまで踏み込んだアメリカには中国の覇権主義に対して、同じ価値観を持った民主主義国家と連携して対峙していくという覚悟が見えます。残念ながら、韓国は民主主義ではありますが、同じ価値観を持った国ではないとアメリカが判断しているとも言えます。

いずれにしても、アメリカのインド太平洋戦略と日本の戦略はピッタリ一致しています。この戦略に基づいて、アメリカをはじめ、同じ価値観を持ったインド太平洋の民主主義国家と中国の覇権主義に苦しむアジアの国々とも連携し、中国の覇権主義を封じ込めることが、日本のみならず、世界の国益だと思います。

最後に、私の考えすぎかもしれない私見で締めたいと思います。いつからアメリカは韓国の代わりに台湾を同じ価値観を持った国家として、アジア太平洋戦略の重要なパートナーとして迎える準備をしていたのでしょうか。私はトランプ大統領の就任直後ではないかと考えています。2016年12月2日、トランプ氏は台湾の蔡英文総統から電話が掛かってきたという弁明(自分から掛けたわけではない)付きで、電話会談を行っています。その際にトランプ次期大統領は蔡英文総統を「The President of Taiwan」と呼んでいるのです。

この時は国際常識を知らない不動産王のトランプ大統領が、何も考えずに言ってしまったのだ。これからこんな素人が大統領になって大丈夫なのかという論調ですぐに忘れられましたが、この時から台湾をいずれ国家として承認し、台頭する中国の防波堤とする戦略を考えて布石を打っていたとしたら?トランプ大統領はとんでもない天才なのかもしれません。

GSOMIA破棄-「日本国民は核を持った反日半島国家と対峙する覚悟はできているのかねぇ」

解説-8月24日までに通告がなければ、1年間自動延長される予定だったGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄を発表しました。日本が貿易管理上の優遇措置を撤廃することに対する対抗措置と見られていますが、私が前の記事で指摘していた通り、アメリカが韓国を見放したことが決定的となりました。

日本国民の多くが韓国に対する感情を悪化させていて、今回の韓国側の破棄についても、「日韓断交に向けて良い事」と捉えている人も多いようですが、本当に日韓断交が良いことなのか考えてみたいと思います。

-東アジアの安全保障の枠組み

私もいわゆる徴用工判決から始まり、レーダー照射、天皇陛下侮辱発言、旭日旗問題など、最近の韓国の反日行動には怒りしかありません。日本が韓国をホワイト国から外すことにも当然賛成です。感情的に言えば、話し合いにならないし、約束も守らない国と断交したい気持ちも分かります。

しかし、東アジアと太平洋の安全保障体制という枠組みで見ると、韓国が日本と断交し、北朝鮮と一緒になるということは、安全保障体制の激変に日本が対応していかなくてはならない未来が見えてきます。

現在、日本と韓国はいずれもアメリカと同盟関係にあり、アメリカを仲介とした準同盟関係にあります。これは対北朝鮮を想定したもので、戦後の東西冷戦時代の遺産とも言えます。

ドイツやベトナムでは統一が行われましたが、朝鮮半島ではいまだに対立が続いており、北朝鮮が核を持った先軍政治で韓国にも軍事的圧力を掛け続け、東アジアの脅威になっている以上、日米韓の連携によって、北朝鮮を封じ込めるというのが、いわゆる西側諸国の東アジアにおける安全保障の枠組みでした。

-アメリカの韓国への態度の変化

今回のGSOMIAの破棄はこの安全保障の枠組みが変わってしまうことの象徴的な転換点になると思います。文在寅大統領は明らかに親北朝鮮の思想を持った大統領で、就任直後から北朝鮮に対して好意を示し続けています。政策においても、対北朝鮮制裁に穴を開けるような瀬取り疑惑や開城工業団地の再開をアメリカに提案して却下されるなど、親北朝鮮で一貫しています。

そうした政策を取る中で同盟国であるアメリカにおいても、韓国に対する不信感が大きくなっていました。昨年の11月には在韓米軍がソウルのアメリカンスクールを閉鎖することを発表し、同じ昨年の6月には司令部をソウル中心部から約60キロ南方の平沢(ピョンテク)に移転させています。

その後も在韓米軍の駐留費用を5倍に引き上げることを要求したり、米韓首脳会談が2分で終了したりと、アメリカは韓国を冷遇する政策を取り続けています。この流れを見ると、アメリカは完全に米韓同盟の破棄を頭に入れていると思われます。

そもそも、韓国の存在価値は冷戦中は共産主義の防波堤であり、その後は北朝鮮との交渉のパイプ役でした。トランプ大統領が金正恩委員長と直接対話のチャンネルを開いた以上、韓国の存在価値は相対的に低くなるのは当然だったわけです。

それでも、米韓は同盟関係にあるわけですから、同じ価値観を共有し、共通の敵国に対して安全保障で連携していれば、今日のような韓国冷遇はなかったのでしょうが、文大統領が取ってきた政策は一緒に包囲網を作って制裁を掛けるべき敵国(北朝鮮)と一緒になりたいという政策ばかりでした。

そうであれば、アメリカが韓国と同盟を維持する理由がないどころか、軍事情報が敵側(北朝鮮)に渡る危険性まで出てくるのです。そのような状況の中で、先日8月15日の光復節の演説が行われました。この演説は文大統領が北朝鮮と韓国の統一について強い意志を示した演説でした。

-光復節の演説は安全保障の枠組みからの離脱宣言だった

光復節とは韓国国内では日本の植民地支配から開放されたとされる記念日です。日本では対日批判が控えめだったと報道された演説は中身を読むと、もっと重要な意思が含まれていました。

まず、演説では「共に豊かになる国」を目指すことが宣言されます。その例として、少年少女が起業したり、航海士になるといった例え話が出てきますが、この話の中に韓国と北朝鮮両方の都市の名前が出てきます。そして、「経済活動エリアが韓半島南部を越え、隣国と協力」することを夢としています。

次に、日本の過去に言及し、「先に成長を達成した国がその後を追って成長している国のハシゴを蹴り飛ばしてはいけません」と日本の輸出管理についても遠まわしに批判しています。そして、「誰も揺るがすことのできない国」を目指すとして、その方法として、「辺和により反映を実現する平和経済を構築し、統一によって独立を完成していきたい」としています。

北朝鮮に対して、「不満なところがあるとしても、対話ムードを壊したり、壁を立てて対話を妨げたりするのは決して望ましくありません」とし、具体的に「2032年にはソウルー平壌協同五輪」、「2045の光復100周年には平和と統一で一つになった国」を作ることを目標として提示しています。(朝鮮日報日本語版のHPより)

この演説により、文大統領は北朝鮮との統一することが韓国の進む道であることを示しました。「誰も揺るがすことの出来ない国」を北朝鮮との統一国家を作ることによって達成することを宣言したのです。そして、その為には北朝鮮に不満があってもとにかく対話が大事としています。これは国際社会で一致して北朝鮮に圧力を掛けている現状の枠組みから離脱する宣言と言えます。

このような宣言をした韓国をアメリカが見放すのは安全保障上、当然のことであり、だからこそ、先述のような韓国冷遇の政策が表に出てきているのです。行き着く先は、在韓米軍の撤退と米韓同盟の解消になるでしょう。だからこそ、GSOMIAの破棄もアメリカは一応止めましたが、以前のように強い圧力を掛けなかったと思われます。

まとめ:日韓断交は気持ちよいが、覚悟ができているのか?

今回の韓国のGSOMIA破棄をアメリカが止めなかったことで、日米韓の連携による安全保障体制は崩壊し、最終的には米韓同盟の解消に至ると思います。そうなれば、韓国は北朝鮮に何の制約もなく接近することが可能となり、まずは緩やかな連邦制の高麗連邦が成立し、その後は政治的にも経済的にも統一され、朝鮮半島が統一されるでしょう。

つまり、日本のすぐ隣に朝鮮半島に巨大な反日国家ができてしまうのです。しかも、アメリカが北朝鮮の核をアメリカ本土に届かない段階であれば認めるという妥協をしてしまえば、北朝鮮の核技術は引き継がれ、日本に届く核を持った反日半島国家と日本が対峙しなくてはならなくなるのです。38度線が対馬海峡まで降りてくる事態が迫っているのです。

GSOMIA破棄は日韓断交へ向けたレールに乗る行動であり、最近の反日姿勢の韓国に対する日本国民の不満と怒りから、韓国が日本を離れることを喜ぶことは十分に理解しますが、このような危険性があることまで、考えている人が多数派とは思えません。

当然、将来の核を持った反日半島国家と対峙するためには、日本の核武装の議論も必要でしょう。ホルムズ海峡への自衛隊派遣にすら過半数が反対し、憲法9条改正にも反対が多い中で、核武装の議論ができるでしょうか。

今回のGSOMIA破棄を感情的に喜ぶだけでなく、近い将来にこのような安全保障上の劇的な変化が起こる可能性があり、その際に日本が最前線に立たされる危険があるということも、私たち国民は考えていく必要があるのではないでしょうか。

れいわ新選組・山本太郎-「この人の危険性にみんな早く気づかないと、とんでもないことになるよ」

解説-れいわ新選組の支持率が急上昇しており、立憲民主党に並んだという報道がでました。前回の参議院選挙では2議席を確保し、政党要件も満たすという大成果を上げています。党首の山本太郎氏の演説が心に響くと評判を呼び、SNS等を通じて、動画がアップされ、拡散されたことも大きな要因であると思います。

政策の中身も私が度々このブログで指摘してきた消費増税の凍結やロスジェネ世代への支援など支持できる政策もあります。しかし、山本太郎氏の経歴と背後にいるブレーンの存在を考えると、このポピュリスト(自分でも言っている)は非常に危険な人物を言わざるを得ません。

-極左活動家の斎藤まさしがブレーンに付いている

山本太郎氏の選挙ブレーンには斎藤まさしという人が付いています。この方は市民派選挙の神様と呼ばれる選挙のプロで、菅直人元首相の選挙参謀を務めていたとも言われています。

問題はその経歴ですが、斎藤氏は市民の党の代表を務めています。この市民の党は「MPD・平和と民主運動」というミニ政党が前身で、このMPDは立ち上げた際に、ポルポト派や赤軍派議長からメッセージが届いたという完全な極左団体です。また、市民の党は北朝鮮との深いつながりが繰り返し指摘されており、よど号ハイジャック犯や拉致実行犯と接触していることが、国会の答弁にも残っています。

市民の党の議員は過去に横浜市議会で壇上の日の丸を引きずりおろし、議長席を占拠するという事件も起こしています。また、三鷹市議選挙によど号ハイジャック事件のリーダーである田宮高麿の長男を擁立しています。

斎藤氏はある対談記事の中で「革命一筋。この30年他に何も考えたことはない」と述べています。いまだに共産主義革命を目指しており、「僕は革命のために選挙をやっている」とも公言している人物なのです。

このような人物がブレーンとして山本太郎氏を支えているのです。それだけでもれいわ新選組と山本太郎氏の危険性が分かります。

-山本太郎氏の言動の危うさ

山本太郎氏自身の言動にも危険性が表れています。福島原発事故の後、反原発派として積極的に発信してきた山本氏は、「東日本の食材を僕は食べない」や「あなたの身体の中で放射線を発し続けてあなたを被曝させ続けるよ」など科学的根拠のない風評を広げてきた過去があります。

そして、極めつけは2013年の秋の園遊会で天皇陛下に被曝問題を綴った手紙を直接渡すという暴挙に出ます。この時は皇室の政治利用だとか、天皇陛下の不敬に当たるといった様々な批判が出ました。

私はこの行動にこそ、山本太郎氏の独善性が表れていると思います。この行動には、被曝問題を抱えている被害者を救うという正義の為ならば、どんな手段でも使って構わないという意識があると思います。

これはつまり、もし権力を持てば、自分の信じる正義の為には、ルールを守る必要はないと考え得る人間ということです。しかも、福島県の放射能に関しても、科学的根拠とデータを持って反論しても、聞く耳を持たない人間です。自分が権力を持てば、自分の正義に賛同しない反対派の口を封じだすでしょう。これは歴史上の共産主義国家の独裁者を見れば明らかです。

そのような人物が代表を務める政党が、極左団体の支援を受けて、参議院で2議席獲得し、政党要件を満たしたということは恐るべき事態です。しかも、衆議院選挙に100人の候補者を立て、政権交代を目指すとまで発言しています。

-安全保障・外交政策が不明

勢いに乗るれいわ新選組ですが、政権交代を目指すと発言しているにも関わらず、安全保障と外交政策は全く不透明です。れいわ新選組のマニフェストの中で、安全保障と外交について触れている部分は「真の独立国家を目指します~地位協定の改定を~」の部分のみです。

その中身は沖縄県の辺野古基地建設は中止し、普天間基地も即時の運用を停止し、米軍にはカリフォルニア等への移転をお願いし、対等な同盟関係を築けるようにするとの趣旨です。

これは、全く実現可能性がないと言わざるを得ず、民主党政権の「最低でも県外」の失敗から何も学べていません。領土的野心をむき出しにしている中国やミサイル実験を繰り返す北朝鮮に対して、どのように対抗していくのか全く述べられておらず、不明です。

このマニフェストを実行して喜ぶのは北朝鮮と中国です。沖縄から米軍を撤退させることは北朝鮮と中国が切望していることです。ここでもやはり、背後の極左団体の影響があるのではないかと勘ぐってしまいます。

-まとめ:山本太郎氏に騙されてはいけない

山本太郎氏は終戦記念日にれいわ新選組のHPに代表談話を発表しており、その中で「アジア諸国にも甚大なる被害を与えた過去。この反省を未来永劫続けることが、私たちそして政治の責任と考えます」と述べています。

一度敗戦したら未来永劫反省し続ければならない国がどうやったら「真の独立国家を目指」すことができるのでしょうか?いつまでも日本が加害者の立場でいることを望んでいる国も同じく北朝鮮と中国です。

山本太郎氏の発信はわかりやすく明快です。しかし、このわかりやすさこそが危険なのです。山本氏が演説で述べる「生活が苦しいのはあなたのせいではない」、「ないところから税金をとるな。金持ちから取れ」、「あなたは存在しているだけで価値があるっていう社会を政治で作っていこうじゃないか」等、現状に不満がある多くの国民に寄り添うような言葉に感動する人が多いのもわかります。経済政策に関してはデフレ脱却を第一に掲げ、財政出動や新規国債の発行等の政策は私も大いに賛成します。

しかし、れいわ新選組に具体的な安全保障・外交政策が全くないことや支援者に北朝鮮との深い関与が疑われる極左団体がいることを知っている支持者はどれくらいいるでしょうか。

経済政策はまともでも、それ以外の政策が間違っていた代表と言えばヒトラーです。ヒトラーも経済政策がまともで、第一次世界大戦後のどん底だったドイツ経済を復興させた為に、国民の支持と民主的な手続きによって、独裁者の地位に就きました。その後の歴史は言うまでもありません。

耳障りの言い言葉に騙されてはいけません。日本国民は「悪夢の」民主党政権時にそれを嫌というほど学んだはずです。もう一度、山本太郎氏の支持団体や政策を見て、このれいわ新選組ブームに乗ってよいものかを国民に考えてほしいと思います。