トランプ大統領・国賓-「国賓だから最大限もてなすのは当然。批判する人は安倍首相憎しの感情だけだよね」

アメリカのトランプ大統領が訪日をし、新しい天皇陛下と会見された他、安倍首相とゴルフや相撲観戦を行い、最終日には空母「かが」を視察し、帰国されました。この訪日に対して、野党やマスコミからは批判の声が相次いでいます。立件民主党の辻元国体委員長の「安倍首相はツアーガイドか」という発言をはじめ、朝日新聞の霞クラブのツイッターでは安倍首相がゴルフカートを運転している写真に対して「とうとうトランプ大統領の運転手に」というコメントをつけて投稿するなど、様々な批判が出ています。

これらの批判は安倍首相がすること全てに批判したいという意図しか見えず、国益の概念が存在しません。まさに批判することが目的になっていると思います。

そもそも訪日の最大の目的は何か

マスコミでは今回の訪日で共同声明が出なかったことに対する批判もありまし、トランプ大統領の日程が観光やレジャーがメインのように見えるため、実質的な成果がなかったという批判もあります。ちなみに中国の新華社通信は「形だけで中身がない」と批判しています。

しかし、今回の訪日の最大の目的は何かを思い出せば、そのような批判は全く的外れと言えます。今回のトランプ大統領の訪日は、日本の最も重要な同盟国であるアメリカの大統領が新しく即位された天皇陛下に世界の首脳の中で最初に会見するという絵を世界に見せること重要な目的なのです。

日本とアメリカはこのように強固で特別な同盟関係であるということを世界に示すことができれば、日本の外交力を押し上げる力となります。トランプ大統領の強烈な個性に世界が振り回されている中で、日本の安倍首相だけが特別な関係を築けているということを世界にアピールできたことは大きな国益です。

実際の動きとして、トランプ大統領訪日直前にイランの外相が訪日し、トランプ大統領が訪日した後に、安倍首相が6月にイランを訪問することが決まりました。当然、トランプ大統領と話し合った結果だと思われます。アメリカとイランが対立している中で、トランプ大統領と近い安倍首相のイラン訪問を世界中が注目することになるでしょう。

アメリカとイランは戦争の危険もあるくらいのレベルで悪化していますから、ここでイランとも関係が良い日本が仲裁することができれば、日本の存在価値が上がることは間違いありません。6月のイラン訪問は世界にとって大きな注目を集めるイベントになりそうです。

アメリカとの同盟関係であることの最大のメリット

現在の日米関係は歴史上最も良い関係と評されています。思い起こせば、トランプ氏が大統領選挙に当選した直後に、まだ大統領ではないトランプ氏に安倍首相が世界の首脳の中で誰よりも早く会いに行ったことが安倍・トランプ関係の始まりでした。

この時もまだ大統領になっていないトランプ氏に会うことを外務省は外交儀礼に反するという理由で反対したという話があります。その反対を押し切ってトランプ氏と会ったことが、現在の良好な関係の基礎になっているのです。これは間違いなく英断でした。

安倍首相を批判したい勢力はアメリカの舎弟だとか属国のようだと批判をします。では、現実的にアメリカではなく同じ大国の中国と軍事同盟を結べと言うのでしょうか。中国は沖縄県尖閣諸島をはじめ、日本への領土的野心をむき出しにしています。日本にとって明らかに敵性国家であり、同盟を結ぶことは不可能です。

南シナ海を見ても中国が膨張主義に出てきているのは明らかで、それを防ぐためにもアメリカと同盟を結び、強化していくことは最善の選択です。そして、何よりもアメリカと同盟を結んでおくことにはあまり意識されていない最大のメリットがあります。

それは、日米同盟がある限り、世界一の軍事力を持つ戦争国家のアメリカと戦争する危険がないという言うことです。これはとてつもなく大きなメリットです。アメリカと言えば、第二次世界大戦後も朝鮮、ベトナム、アフガニスタン、イラクと絶えず戦争をしてきた国家です。

特にイラクに関しては、最終的に見つからなかった大量破壊兵器の譲歩をでっちあげてでも戦争を開始した恐ろしい国です。このようなアメリカと戦争をする危険がないというのは、日本にとって最大のメリットです。

現状でも、アメリカに対抗する軍事力を強化する時間と費用を他のことに回せています。これに対して中国・ロシアはアメリカに対抗するために軍事力を強化し続ける必要があります。アメリカは世界最強で最先端の軍事力を持っていますから、これに対抗するためには研究開発を含め、莫大な時間とお金がかかることになります。

このようなコストを日本は払わずにすんでいるのです。もちろん、独自の軍事技術開発は主権国家として必要不可欠だと思いますが、少なくとも核兵器も含めて全方位にコストを掛ける必要はなくなります。だからこそ、日本は得意な潜水艦などに集中して予算を掛けることができるのです。これはアメリカと同盟があるからこそ、言い換えれば、アメリカと戦争する危険がないからこそできていることなのです。

まとめ-安倍憎しの勢力からは国益の観点が見えない

このように見ていくと日米同盟とそれを強化することは日本にとってメリットが大きいということがわかります。もちろん、そのメリットがあるからこそ、経済分野ではアメリカに押し込められる場面が多くなることも事実です。

問題はそのメリットとデメリットのバランスです。日本が経済問題でアメリカに譲歩していても、日本は軍事面で多大なメリットを得ているという認識が国民にあれば、アメリカとの外交交渉も日本が負けてばっかりというこれまで印象も変わるのではないでしょうか。

こうした広い視野から国際問題を見ていくことが必要だと思いますし、このような見方こそ、人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

ECRA(エクラ)・米中・日本企業-「日本企業も中国への技術移転に注意しないと、米国から制裁を受けるよ」

解説-対中関税の25%引き上げに続いて、ファーフェイの排除を決めたアメリカですが、2018年に日本にも関係するECRAという法律がアメリカ議会で通っていたことはあまり知られていません。

この法律を知れば、米中貿易戦争がただの経済分野だけの戦争ではなく、世界覇権を巡る全面的な争いであるとわかります。そして、日本企業も他人事ではないこともわかります。ECRA(米国輸出管理法)とは

ECRA(米国輸出管理法)とは

ECRAとはアメリカが2018年8月13日付で施行した法律で、アメリカが国防上危険と考える国などに対して、アメリカの兵器転用技術や先端技術を輸出できなくする法律です。冷戦時代の東側・共産圏に対する西側の軍事技術・戦略物資の輸出規制を行った「COCOM」の対中国版ともいえる法律です。

具体的にはアメリカ国内の14分野の先端技術の輸出を規制する法律です。14分野の中にはAIやバイオテクノロジー・超音速・3Dプリンティングなどの軍事分野に転用可能な技術が含まれています。

ECRAの中では中国を名指ししているわけではありませんが、この法律制定後にペンス副大統領のハドソン研究所での演説(昔記事参照)や対中貿易戦争を仕掛けていることを見ると、第一の標的が中国であることは確実です。

「中国製造2025」への対抗

中国は習近平国家主席が主導して、建国100年を迎える2049年までに製造強国のトップになるという目標に向けた発展計画を発表しており、その第一段階の「中国製造2025」では、次世代情報技術や新エネルギー車など10の重点分野と23の品目を設定し、発展に力を入れていくとされています。

そして、今回のECRAが規制している14分野はこの「中国製造2025」に設定されている分野とほぼ同じなのです。この事実を見ても、ECRAが対中国を標的としていることは明らかです。

加えてアメリカは先端技術研究を行っている多くの大学はファーウェイからの資金提供を拒否し、共同開発や技術供与などをやめるとも発表しており、官民挙げて対中国への対抗姿勢を示しています。

中国企業の不公正さ

アメリカがここまで中国への技術輸出に対して厳しい姿勢に出ている理由は、中国企業が中国政府の支援を陰に陽に受けていることを不公正と捉えているからです。ファーウェイに関しては一部報道がされている通り、創業者は中国人民解放軍出身であり、軍からのハッキングやスパイ活動によって得た技術協力を受けていたという話があります。

ファーウェイだけでなく、中国企業は完全に独立した民間企業とは言えません。中国企業の多くは社内に「共産党委員会」を設置することで補助金の支給や規制の見逃しなど多くの恩恵を受けています。

これに加えて、中国は軍や共産党からの情報やスパイ活動で得た他企業の技術を半分国営とも言える先端企業に供与していたと言われています。アメリカからすれば、これ以上中国企業がアメリカの企業から技術を盗んで、「中国製造2025」に突き進むことは不公正で許せないということになります。

まとめ:日本企業はアメリカの本気に早く気づけ

そして、その先端企業の技術はそのまま軍事技術に転用されることを危惧したアメリカの動きが現在の米中貿易戦争と先述のECRAに繋がっているのです。このように考えると、マスコミが言うようにトランプ大統領はでたらめに関税を上げているわけではなく、中国への先端技術の盗難を防ぐという大目標に向けて議会と一体となって行動しているとわかります。

今後の動きとして、アメリカはこのECRAを同盟国にも広げていきたいと考えると見られます。実際にECRAの中にも国務長官が指定された技術の輸出規制について各国が協力して安全保障貿易管理に関する取り決めを行えるように、国連やG20などの国際的な場で提案することを義務付けています。

当然、日本にも協力の要請が来ると思われますし、実際にファーウェイに関しては排除するように要請が来て、日本政府も受け入れています。しかし、政府ではなく民間企業や大学こそ、気を付ける必要があると思いますが、マスコミでもそのような警戒を促す報道は行われておりません。

具体的には、中国企業と共同開発をしている企業や中国企業と産学協同の技術開発を行っている大学もアメリカの制裁対象となる可能性があるということです。加えて、もっと気を付けないといけないのは、日本国内で完成品として製造された日本製の商品もアメリカ企業の先端技術を使っている場合も規制の対象になる可能性があるということです。

また、今後は日本独自の先端技術の中で軍事転用できる技術も規制の対象になる可能性もあることに留意しておく必要があると思います。日本企業は軍事転用に使える技術という観点に疎いですが、具体的には電気自動車向けの急速充電技術も使い道を変えれば、超電磁砲(レールガン)に転用できる軍事技術に繋がる可能性もあるのです。

そういった意識を日本企業が持っていなければ、アメリカから制裁を受けて、中国市場から撤退させられるだけでなく、アメリカ市場からも締め出されて経営の重大な危機を迎える危険性があるのです。このようにECRA(米国輸出管理法)というアメリカが施行したあまり知られていない法律の裏側に日本企業の危険が内包されているという見方も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

丸山議員・北方領土・戦争発言-「批判している勢力が本質を隠そうと必死だよね」

丸山穂高議員が北方領土について、戦争による奪還に言及した件で、日本維新の会を除名されただけでなく、マスコミからのバッシングも続いています。丸山議員に関しては、以前の飲酒時の失敗の経験から、お酒を飲まないと宣言しているにも関わらず、飲酒している時点で、信用できない人物だと評価します。

その上で、発言自体については、北方領土交流訪問団に対して言う内容ではなかったし、これだけ問題になり、ロシアも反発していることを考えると国益を失う発言だったと思います。

しかし、この発言に対してのヒステリックな反発もまた、日本の戦後意識が良く表れている事象ではないでしょうか。

外交の裏には軍事力が必要

丸山議員に対しては辞職勧告決議まで取りざたされていますが、政府の一員でもない一個人の議員のそこまでヒステリックに批判することに違和感を覚えます。批判している勢力の中でも主にマスコミや立憲民主党などのリベラル勢力の声が大きいことも気になります。

彼らは丸山議員の発言に潜む本質がばれないようにしたいのではないでしょうか。

その本質とは、「外交の行きつく先は戦争である」という純然たる事実です。外交とは相手国とそれぞれの国益を懸けて行うものですが、話し合って話し合って解決しなければ、最後は戦争になるという意識がなければ、本当の外交交渉はできません。北朝鮮の瀬戸際外交や中国の南シナ海に関しての東南アジア諸国に対しての外交を見ても明らかですし、アメリカやロシアに至ってはイラクやクリミア半島で実際に戦争をしています。

軍事力を背景に外交を行うことは、感情的に良いとか悪いとかではなく、国際社会の現実なのです。これを日本では憲法9条と戦後教育によって、見ないことにしてきました。戦争反対を訴えていれば平和になるという精神です。これが事実ではないことは、北朝鮮や中国の脅威が顕在化してきたことで、明らかになってきましたが、リベラル勢力はこの現実を認めたくないようです。

拉致問題が解決しないのも戦争する気がないことが原因

北朝鮮と中国は具体的に領土侵略による戦争こそしていませんが(尖閣諸島はその瀬戸際ですが)、日本への軍事的圧力を強めていることは明らかですし、北朝鮮が行った拉致事件は 他国の国民を国家ぐるみで略奪するというのは明らかな戦争行為です。

リベラル勢力は日本国憲法のおかげで、戦後の日本は戦争に巻き込まれなかったと言いますが、全く事実と異なっており、北朝鮮に国民を「計画的にかつ大量に」奪われるという戦争に巻き込まれているのです。

この「計画的にかつ大量に」というのが大きなポイントで、北朝鮮は日本国憲法が「国の交戦権は、これを認めない」以上、自衛隊が取り返しにこないことを知っていたので、大量の拉致被害者が継続的に発生してしまう事態となったのです。

その後、小泉訪朝の際に金正日総書記が国家ぐるみの拉致を認め、日本人が北朝鮮に拉致されたことが確実になっても、他の国では当たり前のことである自国の軍隊が取り戻しに行くということが、検討すらされていないのです。これがどんなに異常なことかが認識されていない日本の空気と今回の丸山議員の発言に対するヒステリックな批判は根が同じではないかと思います。

戦争してでも拉致被害者を取り返すという姿勢を見せてこそはじめて、金正恩委員長も本格的な交渉に入ると思います。2017年の北朝鮮危機の時にアメリカのトランプ大統領が斬首作戦を含めて具体的に北朝鮮と戦争する姿勢を見せたからこそ、米朝首脳会談という対話が実現した例を見ても、背景に軍事力がなければ、北朝鮮は実効的な対話には応じないことは明白です。

まとめ:本質から目をそらせようとする勢力に注意しよう

このように外交力の背景に軍事力が必要だと主張してきましたが、まだまだ一般的にこの国際常識の考え方が日本には浸透していません。しかし、トランプ大統領の対北朝鮮外交や中国の対外拡張主義が明らかになってきた中で、少しずつ外交に軍事力が必要だという認識が日本国内でも出てきてはいます。

リベラル勢力は、国民全体にこの認識が広まることを恐れています。この認識が広まれば当然、憲法改正につながってくるからです。だからこそ、今回の平の野党議員に過ぎない丸山議員の発言をヒステリックに批判しているのです。

そして、先述の通り、その本質は拉致被害者を取り戻せない日本の現状と繋がっているのです。このように、単純に議員個人の暴言が日本の戦後の問題点につながっているという見方は、人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

自由朝鮮・スペイン大使館襲撃-「これは金王朝が無血で倒れる可能性が出てきという重大ニュースだよ」

解説-今年の2月にスペイン北朝鮮大使館が「自由朝鮮」を名乗る北朝鮮の反体制団体によって襲撃され、大使館職員を拘束・尋問した上、パソコンや携帯電話を盗んで逃走するという事件が起きました。

その後、「自由朝鮮」は犯行声明をアメリカFBIと情報を共有したことを発表しました。しかし、アメリカ国防省は事件への関与を否定しています。そして、その後、4月19日に大使館襲撃のメンバーとして、元米海兵隊をアメリカ当局が逮捕したことが発表されました。

自由朝鮮とは

前の記事でも少し触れましたが、「自由朝鮮」とは北朝鮮脱北者を中心に組織された反体制団体で、金正男氏暗殺の後に正男氏の息子である金漢率(キムハンソル)氏を保護したことで有名になった組織です。

その後、3月1日に臨時政府の樹立を宣言する動画を発表しています。まだまだ組織の全容は明らかになってはいませんが、スペイン北朝鮮大使館襲撃や金漢率氏がアメリカのニューヨーク近郊に保護され、滞在しているということを考えますと、アメリカと何らかの関係があるのではないかと噂されている組織です。

大使館襲撃メンバー逮捕はブラフか?

アメリカは「自由朝鮮」とは何の関わりもないという公式な立場と保っています。FBIが情報共有をした件についても「莫大な価値をもたらす可能性がある特定情報」を先方の要請によって共有しただけであるという立場です。

その後、実際にアメリカ当局が「自由朝鮮」の元米海兵隊のメンバーを逮捕しており、逮捕されたことについて、「自由朝鮮」側は代理人の弁護士を通じて「米司法省は北朝鮮の体制からの刑事告発に従って米国人に礼状を執行した形で、落胆した」とする声明を出しています。

しかし、これは北朝鮮向けのポーズでアメリカが「自由朝鮮」と繋がっていないというのは嘘であると思います。その一つの証拠としては、金正男氏の息子の金漢率氏がニューヨークで保護されているという点です。もう一つが第二回米朝首脳会談の失敗後すぐの3月1日に「自由朝鮮」が臨時政府の樹立を発表した点です。

アメリカの交渉の裏に北朝鮮大使館襲撃事件で得た情報が?

この点は非常に重要で、時間の流れとして、スペイン北朝鮮大使館襲撃が2月で、その後すぐに「自由朝鮮」が犯行声明を出し、FBIと奪った情報を共有したことを発表しました。その後、第二回米朝首脳会談が2月28日に交渉決裂に終わり、その翌日の3月1日に「自由朝鮮」が臨時政府の樹立を発表しています。

この流れを見れば、あくまで推測ですが、北朝鮮大使館襲撃で得た情報をアメリカが分析した結果、北朝鮮の経済制裁が効いていることを掴んでいたのではないかと推測できます。実際に仮想通貨流出事件の裏に北朝鮮がいて、そこから資金調達がされていたとの報道も出ています。

そして、第二回米朝首脳会談では北朝鮮が隠していた核施設をアメリカが示したとも報道されていますが、これも想像を逞しくすれば、同じく奪った情報の中から見つかった可能性もあります。

そして、アメリカは北朝鮮が完全な非核化を行う気がないのであれば、このまま経済制裁を続けることが北朝鮮を追い込むことに繋がると判断し、完全な非核化を行わない姿勢の北朝鮮に対して、交渉を決裂させ、その翌日に「自由朝鮮」に臨時政府の樹立を発表させ、金正恩委員長の替わりはいるということをアピールさせたと見ることもできます。

金一族の正統性と金漢率氏

金日成から続く北朝鮮の独裁政権の権力の正統性を簡単に言うと、初代の金日成が白頭山という山を拠点に抗日戦争を戦い、北朝鮮を日本の占領から解放したという神話があります。また、その抗日戦争の中で二代目の金日正が誕生したというエピソードも同じ神話に盛り込まれています。

つまり、抗日戦争を戦って、北朝鮮を解放した偉大なる金日成将軍の血統(白頭山の血統)であるということが、権力正統性の基盤となっているのです。だからこそ、共産主義ではスターリンも毛沢東もやらなかった権力の世襲を3代にわたって続けていることも正当化されているのです。

これは逆に金日成の血統を継ぐものであれば、代替が効くという弱点もあります。だからこそ、北朝鮮国内では権力基盤を持たず、海外で生活をしていた金正男氏ですが、白頭山の血統を持っているという理由一点だけで金正恩委員長にとっては脅威だったということです。

結果として金正男氏は暗殺されましたが、その息子の金漢率(キムハンソル)氏を「自由朝鮮」が保護し、アメリカに滞在しています。もともとはマカオにいた金漢率氏を移動させて、アメリカに滞在させているということは、アメリカがカードとして持っているという北朝鮮へのメッセージでもあると言えます。

まとめ:無血で金正恩体制が替わる可能性

これから先、アメリカが金漢率氏という白頭山血統を持つ重要なカードをどのように使っていくつもりなのかはわかりませんが、このカードによって、日本にとってベストなシナリオも見えてきます。

そのシナリオとは、金正恩委員長を中心とした金一族が海外に亡命することを条件に身の安全を保障し、同じ金日成将軍の血統である金漢率氏を最高権力者とする政権ができるというものです。このシナリオであれば、新しく権力者になった金漢率氏は前政権の悪政を清算しようとするので、拉致被害者が帰国する可能性がかなり高くなりますし、戦争が起きることも防げます。

もちろん、その後の核兵器の管理の問題や、そもそも金正恩委員長がこの提案に乗るのかなど、実現の可能性には疑問符が付きますが、「自由朝鮮」がアメリカと繋がっており、金日成将軍の血統の金漢率氏を保護しているという事実は、先が見えないチキンレースの様相を呈している北朝鮮問題にとって、明るい兆しと言えるかもしれません。

あまりニュースで取り上げられなかったスペイン大使館襲撃事件にこのような重大な変化が隠れているのではないかという見方も、人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。