「主体思想信奉者のチョ・グク氏の強行任命はワイドショーネタの笑い話じゃないよ。」

解説-文在寅大統領は数々の疑惑が浮上していたチョ・グク氏を法相に強行任命しました。いくつもの疑惑が出てくることから、「玉ねぎ男」と揶揄され、日本でも面白おかしく取り上げられていましたが、背景を知ると笑えない未来が待っている可能性があるのです。

このチョ・グク氏は北朝鮮の政治思想である主体(チュチェ)思想を信奉していることを隠していません。文大統領自身は主体思想派であることを表立っては認めていませんが、自他共に認める北朝鮮派のチョ・グク氏を強行任命することは、韓国政府が北朝鮮派に乗っ取られた革命政権であることを隠さなくなったと言えるのです。

-主体(チュチェ)思想とは

主体(チュチェ)思想とは朝鮮労働党および北朝鮮の指導指針とされる思想です。基本的な考え方は「人間が全ての主人公であり、全てを決める」ということです。個々の人間が主人公であり、一人ひとりが「主体」的に行動し、政治・経済・思想・軍事全てにおいて自主・自立を貫く国を作ることが正しいことだとされます。

しかし、一人ひとりが個別に行動しても、帝国主義や軍国主義や金融資本といった悪い勢力に潰されてしまいます。だから、そのような勢力に負けない為に、一人ひとりの人間が団結して、組織的に動くことが必要だということになります。

この組織を人間の身体に例えると、組織的に動くにあたって大事なものはその組織を指導する「頭脳」です。その「頭脳」が指示を出して、「神経」である朝鮮労働党が指示を全身に伝達し、「手足」である人民が動くことで、組織としての身体が正しい方向に動くことができます。

そして、「頭脳」には革命的血統を持つ正しい方向に導いていける指導者がいて、これが金一族のことです。「頭脳」が倒されれば、身体の「手足」である人民も全滅してしまいます。だから、人民は全ての犠牲を払って、時には命を投げ出しても「頭脳」を守ることが正しいこととされます。

お気づきの通り、この思想は金一族独裁体制を支える為だけの思想です。人民に金一族に対する絶対の忠誠を植え付ける為の思想にすぎません。現在の北朝鮮を見れば、自主・自立した国で、人間が主人公となった国家とはとても言えません。

それでも、北朝鮮の人民はこの主体思想を徹底的に教育されることにより、金日成・金正一・金正恩と3代に渡って続く、独裁者を絶対に守るべき「頭脳」として、犠牲を払わされ、崇拝させられているのです。

-韓国の主体思想派の謎

独裁国家である北朝鮮国内であれば、情報も遮断され、教育も徹底され、反抗すれば政治犯収容所に入れられてしまう為、ほとんどの国民が主体思想に染まってしまうことは納得できます。しかし、情報も自由に入ってくる民主主義国家であり、北朝鮮を主敵としているはずの韓国で、主体思想を信じてしまう人がいる理由はなんでしょうか。

これは北朝鮮が入念なスパイ活動により、司法界、メディア、教育界、そして労組を主体思想に染めていったからです。しかし、それでも金一族という独裁者を礼賛する思想が(仮にも)民主主義国家である韓国で受け入れられたという理由は、韓国に比べ、北朝鮮の建国の歴史のほうに正当性があるように感じられる部分があったからではないかと思います。

北朝鮮の建国の歴史は、抗日パチルザンという朝鮮独立運動神話が大きく関わっています。この神話では、日本の統治時代に満州で抗日パチルザンを組織していた伝説の金日成将軍が、日本軍を打ち破って、1945年8月に凱旋帰国し、北朝鮮の指導者となったとされています。

北朝鮮の建国の歴史は、抗日パチルザンという朝鮮独立運動神話が大きく関わっています。この神話では、日本の統治時代に満州で抗日パチルザンを組織していた伝説の金日成将軍が、日本軍を打ち破って、1945年8月に凱旋帰国し、北朝鮮の指導者となったとされています。

本当は、伝説の金日成将軍と金正恩委員長の祖父の金日成国家主席は年齢が合わず、別人であるという話や、日本軍を打ち破るどころか戦闘自体がなかったのではないかという話もあります。なので、これらの建国の歴史はあくまで神話なのですが、アメリカから開放してもらい、アメリカの傀儡の李承晩が初代大統領になった韓国側から見たら、朝鮮独立の為に日本と戦い、まさに「主体」的に日本を打ち破って国を建国した北朝鮮のほうが、朝鮮民族としての正当性があると感じてしまう人もいるのです。

実際には北朝鮮もソ連の傀儡政権であり、全く「主体」的とは言えないのですが、朝鮮を併合していた悪の日帝を打ち破り、核開発に邁進し、大国アメリカを手玉に取って「主体」性を維持しているというストーリーに見えてしまう韓国民が存在しても、仕方ないのかもしれません。

加えて、そういったストーリーを喧伝する主体思想派がマスコミや教育界に巣食っていますので、主体思想のバイアスが掛かった教育や報道を受けて育った韓国国民が増えているのです。その結果として、北朝鮮に対する脅威は矮小化され、今回の文在寅政権という従北政権の誕生へと至っているのです。

まとめ:韓国という国はなくなるかも?

文在寅政権は就任以来、対北朝鮮に対しては一貫して融和姿勢であり、政権内部には主体思想派が多数存在すると言われています。対北政策では、米韓合同軍事演習の縮小、南北境界線の地雷の撤去、国内情報担当官の廃止、GSOMIAの破棄と韓国軍の弱体化政策をとり続けています。

これは文在寅大統領が北主導の統一に向けて進んでいる一つの状況証拠とも言えます。この従北の姿勢に反発した韓国軍人と外交官OBが「文在寅政権の国家安保蹂躙(じゅうりん)行為を弾劾する」という激烈な声明を発表しています。また、数万人単位の反文在寅大統領の集会も行われています。このように、このままでは韓国が危険だと感じている韓国民もいますが、そういった声は韓国のマスコミはほとんど取り上げません。

その文在寅政権の最後の仕上げがチョ・グク氏の法相就任なのです。主体思想派のチョ・グク氏が法相に就任したら、保守派の大弾圧を行うでしょう。既に韓国では政府寄りのメディア以外は壊滅状態ですが、完全に絶滅状態にまで至るでしょう。主体思想によれば、一番大事な「頭脳」は金正恩様なのですから、それに反する批判は許すはずがありません。

就任後も娘の事情聴取が行われるなど、検察の最後の抵抗が続いていますが、ここで検察が押し切られることがあれば、韓国の検察は思想警察と化し、文政権や北朝鮮を批判する政治家や言論人は文字通り抹殺されるでしょう。その後、文在寅氏の予定通りにチョ・グク氏が不正選挙により、次の大統領に就任し、韓国が吸収される形での朝鮮半島統一に向かうと思われます。

それほど、主体思想思想派であることを隠していないチョ・グク氏の法相就任は韓国国家的危機とも言える事態なのです。マスコミはチョ・グク氏が主体思想派であることを報道しません。「玉ねぎ男」とか、文大統領がお友達を強行指名しようとしているだけと言った認識では、この先の韓国政治の動きを見誤る可能性があるのではないでしょうか。このような視点も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

北朝鮮・新型ミサイル-「アメリカが北朝鮮と組むシナリオもあるかも」

解説-北朝鮮が今年に入って短距離弾道ミサイルの発射を繰り返しています。これに対して、弾道ミサイル発射は安保理決議違反にも関わらず、トランプ大統領は問題にしていません。G7サミットでもこのミサイル発射を問題とする日本と問題としないアメリカの温度差がありました。

英・仏・独も共同声明としてこの弾道ミサイル発射を非難する共同声明を発表しました。地理的に東アジアから遠く、直接の脅威になりにくい欧州の3ヵ国が懸念を示しているにも関わらず、在日・在韓米軍が駐在しているアメリカのトランプ大統領がこの短距離弾道ミサイル発射を一貫して問題としない姿勢は不可解です。

-新型ミサイルは迎撃できない?

北朝鮮は5月4日以降、合計9回の短距離弾道ミサイルを発射しています。っミサイルの種類としては、一種類がロシア製の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」に類似した新型と分析されており、もう一種類は米国製の地対空ミサイル「ATACMS」に似ているという指摘もあります。

いずれのミサイルも単純に放物線を描くこれまでの弾道ミサイルの軌道と異なり、軌道の途中で水平飛行に移る特殊な飛び方をする為、従来のミサイル迎撃システムでは撃ち落とすことが難しいと分析されています。

これは第一には韓国に対しての脅威です。今回の9回の発射いずれも韓国内をカバーする射程の距離しか飛んでおらず、韓国国内どこでも狙えるミサイルです。もちろん、発射の角度を変えれば、西日本の一部までは十分届く距離なので、日本にとっても脅威であることは間違いありません。

しかし、第一の目標は韓国なのですから、韓国内の在韓米軍にとっては脅威になるはずですが、トランプ大統領は問題ないという姿勢を崩していません。これは私が前の記事で「アメリカは在韓米軍を撤退させ、米韓同盟の解消に向かう」という主張の傍証になる出来事であると思います。

-だれが米製の「ATACMS」を北朝鮮に流したのか

トランプ大統領が今回の一連の短距離弾道ミサイル発射について問題としない姿勢でいることについては、アメリカがいずれ在韓米軍を撤退させるからアメリカ人は死なない、だから問題がないのだという仮説で説明が付くと仮定します。

しかしそれでも、8月24日の新型ミサイルが米国製の「ATACMS」に似ており、北朝鮮にアメリカの技術が流されたという重大な事件に対してアメリカが反応していないのは何故かという疑問が残ります。

どこから北朝鮮に流れたのかと考えた時に、最初に思い浮かぶのは親北どころか従北とも呼べる文在寅が大統領を務める韓国でしょう。もし、犯人が韓国であれば、それだけで米韓同盟の解消に直結するような大問題です。

次に考えられるのは北朝鮮のハッカー部隊によるハッキングです。北朝鮮のハッカー部隊は非常に優秀と言われており、日本のコインチェックからの「XEM」という仮想通貨流出事件の犯人も北朝鮮のハッカー部隊ではないかとの噂もあります。

この北朝鮮のハッカー部隊が犯人であれば、アメリカの軍事情報のネットワークセキュリティの強化が急務となるはずですが、アメリカ軍にそのような動きはありません。

このような状況を考えると、一つの突拍子もないようなシナリオが頭に浮かびます。それが今回の一言に繋がるのですが、アメリカが北朝鮮と組むシナリオを考えているということです。

-まとめ:アメリカが北朝鮮と組むシナリオ

最初にこのシナリオは、今回の北朝鮮が発射した新型ミサイルが米製の「ATACMS」だと仮定した場合が全ての前提であることを先にお断りしておきます。(ロシア製の「イスカンデル」の改良品であるという説もありますので)

まず、「ATACMS」の技術やミサイル本体そのものを韓国が流出させていたとしたら、アメリカ軍は軍事統制権を持っていますし、韓国軍の指揮権はアメリカ軍の司令部にあることを考えるとその流出事態は掴んでいるはずです。また、北朝鮮ハッカー部隊のハッキングによるものであれば、同じく当然アメリカ軍は盗まれたことを認識していると考えられます。

であるとすれば、いずれの異常事態にも表立って反応しないということは、アメリカは流出したことを黙認しているということになります。ここで、今回一連の北朝鮮がいずれも東側の日本海に向けて撃ったミサイルを、反対の西側に向けて撃ったと仮定します。

そうすると、いずれも北京をはじめ、中国の主要都市に全て届く弾道ミサイルと言うことができます。私のブログで何度も記事にしている通り、現在のアメリカの主敵は完全に中国であり、その為に自国に痛みを伴っても経済戦争を仕掛け、サプライチェーンの引きはがし戦略を取り、中国の覇権主義を抑え込むために「インド太平洋戦略」という戦略を取っています。

もし、北朝鮮がアメリカと組むことになれば、中国の喉元に中国の主要都市を攻撃できる短距離ミサイルを持った脅威が突然出現することになります。金正恩委員長としては金王朝の体制保障だけが唯一の要求であることは、過去2回の米朝首脳会談から明らかですし、北朝鮮は8月に行われた米韓合同軍事演習でも韓国のことは激しく非難しましたが、アメリカに対しては一貫して批判のトーンは控えめです。特にトランプ大統領個人に対しては米朝首脳会談以降、罵るような発言は出てきていません。

逆にトランプ大統領も金正恩委員長に対して、米朝首脳会談以降、「恋に落ちた」とまで表現し、第二回の米朝首脳会談が物別れに終わった後も、親書を送り合うばかりか、電撃的に板門店で会談し、アメリカの大統領として初めて北朝鮮国内に足を踏み入れるパフォーマンスを披露しています。

このように考えると、北朝鮮が核を放棄し、アメリカが金王朝の体制保障をするという交渉に、北朝鮮の短距離弾道ミサイルはそのまま認める代わりにアメリカと軍事協力を行い、中国にミサイルの標準を向けるとことを条件とするという新しい要素を加えると、この交渉は北朝鮮にとってもアメリカにとっても悪くない交渉に思えます。

もちろん、現状では北朝鮮は中国と中朝友好協力相互援助条約を結んでおり、北朝鮮をアメリカが取り込むのは簡単ではありません。しかし、この条約は20年ごとの自動更新ですが、奇しくも2021年7月に自動更新の時期を迎えるという絶妙のタイミングでもあります。

今回の一言はあくまでも頭の体操のような突拍子もないシナリオの一つですが、こんなシナリオが有り得るくらい、現在の国際情勢は混沌としています。日本もいろんなシナリオを想定した上で、国際社会を生き抜いていくかじ取りをしていく必要があると思います。このような常識を疑うような視点も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。