天安門事件・民主化-「日本はソフトパワーを使って中国の民主化を手助けする戦略をたてよう」

解説-1989年6月4日に中国で起きた民主化を求める学生を中国共産党が軍隊を使って弾圧した天安門事件から今年で30年になります。死傷者の数を含め、未だに真相解明には至っておらず、中国ではネット検索をはじめ、厳重な情報規制が敷かれ、中国の若者世代は事件自体を知らない人も増えてきていると言います。しかし、今年はこの天安門事件に関してアメリカが注目すべき発言をしています。

-アメリカはやはり対中冷戦に向かうつもり

今年で30年目を迎える天安門事件について、アメリカの国務省のオルタガス報道官が5月30日の記者会見で、「平和的に抗議をしていた人々に対する徹底した虐殺行為だった。」と指摘し、「中国共産党による構造的なおぞましい抑圧。」と発言しています。

これは大変な踏み込んだ発言で、ポイントは二つあります。一つ目は「アメリカは中国が「正当なデモの鎮圧」だとしている行為を「虐殺行為」と認定したことです。アメリカが「虐殺行為」と認定したことで、天安門事件は政治的な問題ではなく、普遍的な人権の問題として、捉えられていくことになります。

人権の問題としたことで、アメリカは国連人権委員会に議題として天安門事件を提起できるカードを得たことになります。これまでのアメリカは、中国に配慮して政治的な案件でもある天安門事件を国際機関に訴えることはありませんでしたが、現在の米中貿易戦争からのファーウェイ排除に至る一連の動きを見ても、使えるカードは何でも使ってくる可能性があります。そうしたカードの一つになる可能性を示した発言でした。

もう一つは「中国共産党による構造的な」抑圧であるとして、中国の共産党支配という政治システム自体を批判したことです。これは中国から見ると驚くべき発言です。なぜなら、アメリカが中国の現在の体制自体を批判した発言だからです。

アメリカが他国の政治体制を批判した例で思い出すのはイラクのフセイン政権です。この時もフセインは独裁者だということで、世界中にフセインの独裁ぶりをアピールし、最終的には大量破壊兵器を保有している疑いがある(結局見つかっていない)ということで、国連の決議もなしにイラク戦争を起こしたのです。

中国がこの事例を知らないわけはなく、アメリカが対峙する国の政治体制を批判するということは完全に敵国として認定していることの表れなのです。これらのことから、やはりアメリカは中国を実質的には打倒すべき体制の敵国として捉えており、米中貿易戦争は収まることなく、武力による全面戦争にまでは至らないまでも、冷戦に突入する腹積もりであると推測できます。

-中国の民主化を応援する為の日本の戦略

米中冷戦時代が見えている今、日本が取るべき戦略とは何でしょうか。まず、日本として中国という国をどう捉えるかということですが、尖閣諸島のみならず沖縄に対しても領土的野心を持つ中国は日本にとって完全に敵性国家だということです。

自民党の親中派の政治家やマスコミをはじめ、まずこの敵性国家であるという認識が薄いことが大問題なのですが、この認識を基にして対中戦略を練っていく必要があると思います。

現状として、日本とアメリカは大変強固な同盟関係を築いています。そして、そのアメリカが先述の通り、中国を敵国として体制を打倒する方向へ政策の舵を切っています。日本としては、この同盟国の動きに乗ることが日本の国益になるのは間違いありません。

具体的に日本に何ができるかを考えると、軍事面でのアメリカとの協力は憲法9条と世論を考えると難しく、経済面でも現在日本と中国が揉めている経済案件はなく、WTOのルールに縛られている以上、一方的な関税を掛けることも難しい状況です。

このように考えると日本は文化の面から中国の民主化を支えるのが一番良い戦略ではないかと思います。具体的にはアニメや漫画を使って、民主主義の要素を中国国民に浸透させるというやり方です。

以前、ニュース番組の中で、嘉悦大学教授の高橋洋一先生が面白い話をされていました。それはAKBグループの姉妹ユニットで上海を拠点に活動しているSHN48というアイドルグループがあるが(現在はAKB48から独立)、このグループもAKB48と同様にファンによる総選挙を行って、選抜を決めているということです。この選抜総選挙という仕組みで中国の国民が選挙という仕組みが面白いということに気付いてしまうのではないかと中国共産党が危惧しているという話です。

確かに、中国には現在自由選挙はありませんから、このSHN48の総選挙によって特に若者たちが選挙制度というものを考えるきっかけになっているとしたら、中国の未来の民主化に日本の文化が貢献したと言えます。このような事例を日本の得意なソフトパワーであるアニメや漫画でも作れないかと思うのです。

まとめ:日本はずる賢い戦略を

アニメや漫画の中に民主主義や人権といったことを意識させる描写や表現を入れたものを中国に輸出することは、時間はかかりますが、未来の中国の民主化を手助けすることになると思います。政府はもちろん公表する必要はありませんが、このような作品を作らせて流行らせるといった仕掛けをこっそり行うべきです。

日本はスパイ防止法もなく、スパイの天国と言われています。逆に言えば、日本以外の国は当然スパイを活用しているのです。アメリカのCIAのように非合法な手段まで使うスパイ活動を行う必要はありませんが、日本も国益を追求するためには使えるものは全て使うという姿勢でいるべきだと思います。

その一環として、日本のソフトパワーを使った中国の民主化の手助けは良い戦略になるのではないかと思うのです。これもまた、人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。


投稿者: ミカタマン

福岡県出身、熊本在住の普通のサラリーマン。2児の父親です。ニュースを見てひとりで文句を言うのが趣味です。その趣味が高じてこのブログを立ち上げました。

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