ECRA(エクラ)・米中・日本企業-「日本企業も中国への技術移転に注意しないと、米国から制裁を受けるよ」

解説-対中関税の25%引き上げに続いて、ファーフェイの排除を決めたアメリカですが、2018年に日本にも関係するECRAという法律がアメリカ議会で通っていたことはあまり知られていません。

この法律を知れば、米中貿易戦争がただの経済分野だけの戦争ではなく、世界覇権を巡る全面的な争いであるとわかります。そして、日本企業も他人事ではないこともわかります。ECRA(米国輸出管理法)とは

ECRA(米国輸出管理法)とは

ECRAとはアメリカが2018年8月13日付で施行した法律で、アメリカが国防上危険と考える国などに対して、アメリカの兵器転用技術や先端技術を輸出できなくする法律です。冷戦時代の東側・共産圏に対する西側の軍事技術・戦略物資の輸出規制を行った「COCOM」の対中国版ともいえる法律です。

具体的にはアメリカ国内の14分野の先端技術の輸出を規制する法律です。14分野の中にはAIやバイオテクノロジー・超音速・3Dプリンティングなどの軍事分野に転用可能な技術が含まれています。

ECRAの中では中国を名指ししているわけではありませんが、この法律制定後にペンス副大統領のハドソン研究所での演説(昔記事参照)や対中貿易戦争を仕掛けていることを見ると、第一の標的が中国であることは確実です。

「中国製造2025」への対抗

中国は習近平国家主席が主導して、建国100年を迎える2049年までに製造強国のトップになるという目標に向けた発展計画を発表しており、その第一段階の「中国製造2025」では、次世代情報技術や新エネルギー車など10の重点分野と23の品目を設定し、発展に力を入れていくとされています。

そして、今回のECRAが規制している14分野はこの「中国製造2025」に設定されている分野とほぼ同じなのです。この事実を見ても、ECRAが対中国を標的としていることは明らかです。

加えてアメリカは先端技術研究を行っている多くの大学はファーウェイからの資金提供を拒否し、共同開発や技術供与などをやめるとも発表しており、官民挙げて対中国への対抗姿勢を示しています。

中国企業の不公正さ

アメリカがここまで中国への技術輸出に対して厳しい姿勢に出ている理由は、中国企業が中国政府の支援を陰に陽に受けていることを不公正と捉えているからです。ファーウェイに関しては一部報道がされている通り、創業者は中国人民解放軍出身であり、軍からのハッキングやスパイ活動によって得た技術協力を受けていたという話があります。

ファーウェイだけでなく、中国企業は完全に独立した民間企業とは言えません。中国企業の多くは社内に「共産党委員会」を設置することで補助金の支給や規制の見逃しなど多くの恩恵を受けています。

これに加えて、中国は軍や共産党からの情報やスパイ活動で得た他企業の技術を半分国営とも言える先端企業に供与していたと言われています。アメリカからすれば、これ以上中国企業がアメリカの企業から技術を盗んで、「中国製造2025」に突き進むことは不公正で許せないということになります。

まとめ:日本企業はアメリカの本気に早く気づけ

そして、その先端企業の技術はそのまま軍事技術に転用されることを危惧したアメリカの動きが現在の米中貿易戦争と先述のECRAに繋がっているのです。このように考えると、マスコミが言うようにトランプ大統領はでたらめに関税を上げているわけではなく、中国への先端技術の盗難を防ぐという大目標に向けて議会と一体となって行動しているとわかります。

今後の動きとして、アメリカはこのECRAを同盟国にも広げていきたいと考えると見られます。実際にECRAの中にも国務長官が指定された技術の輸出規制について各国が協力して安全保障貿易管理に関する取り決めを行えるように、国連やG20などの国際的な場で提案することを義務付けています。

当然、日本にも協力の要請が来ると思われますし、実際にファーウェイに関しては排除するように要請が来て、日本政府も受け入れています。しかし、政府ではなく民間企業や大学こそ、気を付ける必要があると思いますが、マスコミでもそのような警戒を促す報道は行われておりません。

具体的には、中国企業と共同開発をしている企業や中国企業と産学協同の技術開発を行っている大学もアメリカの制裁対象となる可能性があるということです。加えて、もっと気を付けないといけないのは、日本国内で完成品として製造された日本製の商品もアメリカ企業の先端技術を使っている場合も規制の対象になる可能性があるということです。

また、今後は日本独自の先端技術の中で軍事転用できる技術も規制の対象になる可能性もあることに留意しておく必要があると思います。日本企業は軍事転用に使える技術という観点に疎いですが、具体的には電気自動車向けの急速充電技術も使い道を変えれば、超電磁砲(レールガン)に転用できる軍事技術に繋がる可能性もあるのです。

そういった意識を日本企業が持っていなければ、アメリカから制裁を受けて、中国市場から撤退させられるだけでなく、アメリカ市場からも締め出されて経営の重大な危機を迎える危険性があるのです。このようにECRA(米国輸出管理法)というアメリカが施行したあまり知られていない法律の裏側に日本企業の危険が内包されているという見方も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

消費増税・萩生田発言-「当たり前の発言を袋叩きになる空気に対してこそ、戦前の反省を生かそうよ」

解説-萩生田幹事長代行がネットテレビで「6月の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)の数字をよく見て『この先危ないぞ』と見えてきたら、崖に向かい皆を連れていくわけにいかない。」と発言し、10月の消費増税の延期を示唆する発言をしました。

この発言に対して、菅官房長官や麻生財務大臣が即座に火消しする発言を行い、二階幹事長も苦言を呈し、自民党側は火消しに躍起になりました。マスコミも日本商工会議所の三村明夫会頭の「ちょっと信じられない。」という反発の声を拾い、萩生田発言は袋叩きにあっています。

しかし、冷静に考えて、景気を判断する「数字を良く見て」増税ができないようだったら、取りやめるべきだという発言自体のどこに問題があるのでしょうか。消費増税を行って景気がより悪化するのであれば、それをやめるべきという正論です。

この正論を袋叩きにする空気こそ、マスコミや左翼が良く言うところの、戦前の「モノを言えない空気」そのものではないでしょうか。

「決まっているから変更するな」という愚論

萩生田氏の消費増税見送り発言に反発している側の意見は「幼児教育無償化の予算は消費増税分を盛り込んで成立しているから不可能だ」や「社会保障の財源として安定した社会保障制度維持のために必要だ」というものです。これらの反対論はいずれも「決まっていることだから変更するな」という共通項があります。

幼児教育無償化の予算が消費増税分を盛り込んでいるのであれば、補正予算で国債を発行して予算措置をやり直せばいいことですし、社会保障の財源に関しては、本当に消費税でやらなければならないのかを再度議論していけばいい話です。

話は多少逸れますが、そもそも社会保障制度とは弱者救済のための制度であるはずです。それを逆累進性の高い(弱者に負担が大きい)消費税で財源を確保するのは社会保障制度の趣旨に反すると思いますが、この話はいずれ別記事で触れたいと思います。

戦前の正論が通らない状況と同じ

話を戻しますと、決まっていることでも未来に良い結果が待っていないのであれば、変更するのは当然です。現状は世界経済に米中貿易戦争や中国の景気減退、ブレグジットとたくさんのリスクがあり、いずれもリーマンショック級になり得る状況です。その中で、5月に発表が予定されている1~3月期のGDP速報値はマイナス成長になる可能性が高いという声が多数出ています。

この状況下で消費増税を行えば、景気がより悪くなることは確実です。現にこれまで2度消費税を上げていますが、いずれも景気が落ち込んでいます。だからこそ、今回の増税に関しても増税対策の予算を盛り込んでいるのです。つまり、政府も野党もマスコミも増税したら景気が悪くなることはわかっているのです。

にも関わらず、決まったことだから、増税に対して経済界も準備しているからという理由で増税延期論を袋叩きにして潰そうとする勢力は戦前の失敗から何も学んでいないことになります。戦前も中国大陸で戦争しながらアメリカと開戦しても確実に負けるという分析が政府の中でもできていたにも関わらず、アメリカとは戦争すべきでないという正論が開戦やむなしという圧倒的空気によって潰されました。

マスコミを中心とした戦前の日本が悪かったという人たちは、戦前の「モノが言えない空気」が悪かったと散々批判していたのではないでしょうか。今回の萩生田発言に対する袋叩きは、戦前の「アメリカと開戦すべきではないという」正論を「弱腰」として潰した当時の空気感そのものではないかと思います。

どっちが悲惨なのか

確かに3月に成立した予算の中には消費増税分を財源とした幼児教育無償化があり、経済界も消費増税に備えてキャッシュレス決済への対応も始めているため、今から消費増税を延期したら、各方面に影響は出ます。これまで準備していた時間と費用が無駄になるのですから反対する理由はわかります。

しかし、一時の時間と費用が無駄になることと、リーマンショック級のリスクがいくつもあり、国内の経済状況も悪化している中で消費増税を強行して、日本経済を谷底まで突き落として、「令和の失われた○年」を作り国民全体が不幸になることと、どっちが悲惨なのかということです。

少なくとも、現状の世界経済におけるリスクと国内経済の景気状況、その状況の中で消費増税を行うことについての影響こそ、国会で議論するべきです。

まとめ:私たち国民のためにこそ、消費増税中止を

景気が悪くなることが分かりきっているにも関わらず、それに懸念を表明し、見直しを言及しただけで、データに基づいた議論をすることもなく、発言自体を封じてしまうという風潮は戦前の「モノを言えない空気」と何が違うのでしょうか。戦前の日本を批判する勢力こそ、政治・言論空間を戦前と同じ状況にすることに加担しているのではないでしょうか。

「消費増税して国滅ぶ」では意味がありません。経済紙ウォールストリートジャーナルからは「安倍晋三首相は年内に消費税率を引き上げ、景気を悪化させると固く心に決めているように見えるのだ。」とまで書かれています。

消費増税賛成派が言う「将来世代にツケを残すな」は全く逆です。この世界経済の減速の中で日本経済をより悪化させる消費増税の強行によって発生する不況と、そこから這い上がるためのコストと時間こそが、将来世代により重いツケとなって残るのです。

過去二回の消費増税による経済の悪化と戦前の「モノを言えない空気」の反省、つまりマスコミが良く言う「歴史の反省」が本当の意味で今こそ必要なのです。このように萩生田氏の発言と歴史を絡めた見方も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

消費増税・世界経済の減退-「まだ消費増税を取りやめる可能性は残っているかもよ」

解説-年度内に来年度予算が成立していきましたが、安倍総理もその他閣僚も今年の10月に予定通り消費増税を行うという発言を繰り返しています。しかし、その発言の内容と背景を見れば、まだ消費増税を取りやめる可能性は残っていると思います。

予算が成立するまでは消費増税を予定通り行うとしか言えない

安倍総理はこれまでに何度も予定通りに消費税の引き上げを行うと発言していますが、2018年10月15日の臨時閣議でも改めて、「19年10月に消費税を10%に引き上げる。あらゆる施策を総動員して経済に影響を及ぼさないように全力をあげる」と発言しています。また、その後の通常国会の施政方針演説でも「消費税率の引き上げによる安定的な財源がどうしても必要だ」と発言しており、10月の消費増税は覆せない決定事項のように見えます。

しかし、これらの発言の背景を見ていくと、まだまだ消費増税回避のシナリオはあり得ると思います。そもそも、通常国会前半の最大のテーマは新年度予算案を成立させることです。この予算案は来年度に見込まれる税収に対して、それをどのように使っていくかというものです。

来年度予算案の中で、来年度見込まれる税収の中に10月以降の消費増税分の税収も含まれています。そして、その税収を基に支出が計算されているため、具体的には幼児教育の無償化については、消費増税分の税収が充てられる案となっています。そのような予算案を提出している中で、もし、消費増税がなくなれば、この予算案自体が税収分の計算が合わなくなるため、全てやり直しとなってしまいます。

そうなれば、今年度中の予算成立は間に合わない事態に陥りますし、そもそも、消費増税自体が法律で決まっているため、消費増税の撤回は新しく法律を作る必要があります。だからこそ、安倍総理が消費増税を予定通り行うと言い続けるのは、本心がどこにあるにせよ、予算を成立させるためには当然の発言なのです。

5月頃から潮目が変わるか?

このように見ていくと、現在までの安倍総理の消費増税を予定通り行うという発言はあまり意味がないということになります。実際に安倍総理もその他閣僚も、消費増税に関する発言をする際には「リーマンショック級のことが起こらない限り」という枕詞を付けて発言しています。ということは、リーマンショック級が起これば、増税しないということです。

目下の世界情勢と経済状況を見てみると、イギリスはEU離脱についての案が何度も否決されており、合意なき離脱が現実味を帯びてきています。さらに、中国の景気減退は隠せなくなってきており、大規模な減税措置が取られると発表されています。また、中国経済減退の原因となった米中貿易戦争も終わりが見えず、仕掛けた側のアメリカ経済にも影響が出る可能性が指摘されており、FRB(米連邦準備理事会)は世界景気の減速を警戒し、2019年度中の利上げを行わないことを発表しました。

このように見ていくと、すでにリーマンショック級のことが起こっていると考える方が自然なくらい、世界経済の先行きに対して、各国が懸念しています。日本は政府の月例経済報告では表現を下方修正したものの「景気は緩やかに回復している」という判断を堅持しています。ですが、これはいわゆる「大本営発表」のようなもので、政府の主観が入っているため、実体経済を反映しているかは微妙です。実際に、客観的な数字である3月の景気動向指数では3ヶ月連続の下降となっています。

5月20日には1~3月期のGDP(国内総生産)速報値が出ますが、現状でいい数値が出ることはほぼ期待できません。それまでにも4月の景気動向指数や消費者物価指数等で景気減速を示す数字が出ることが予測されます。そのような景気減速の雰囲気がある中でGDP速報値が大きなマイナス成長となれば、消費増税を撤回する理由に十分なり得ると思います。

まとめ:消費増税撤回を大義に衆参ダブル選挙

もし、消費増税の撤回を決めたとしても問題になるのが、先述した通り、消費増増税は法律で決まっているという点です。消費増税を撤回するためには、新しい法律の制定が必要となります。

そこで出てくるキーワードが「衆参ダブル選挙」です。今年は参議院の改選が行われる年で、7月21日が有力視されています。この日を衆参ダブル選挙にするという話がちらほら出てきているのです。

そのためには衆議院を解散して民意を問うための大義が必要になります。そこで、世界経済の減速と5月のGDP速報値とそれまでに出る高確率で悪化している経済指標をもって、日本経済減速回避のために消費増税撤回を大義とするのです。

衆参ダブル選挙にすれば、参議院では統一候補を模索している野党も、衆議院での統一候補擁立は難しいと言われていることも、安倍総理に衆参ダブル選挙を決断させる追い風になると思われます。

しかし、当然ながら何としても増税をさせたい財務省からの徹底抗戦が予想されます。例えば、予算案で幼児教育無償化に消費増税分を充てていることを挙げて、情報戦を仕掛けることも考えられます。これは単純に補正予算を10月までに成立させて、幼児教育無償化にかかる2兆円の財源を確保すれば済む話です。例えば、教育国債という形で予算措置を行えば済む話なのですが、マスコミを使ってまた財政破綻のデマをまき散らす可能性があるので注意が必要です。

こうした増税派の反対に負けることなく、日本経済の安定した成長のためにも消費増税の撤回を大義として衆参ダブル選挙を行ってほしいと思います。このように、まだまだ消費増税の撤回の目があるという見方は人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

食品・生活品の値上げ-「デフレ脱却する為には歓迎すべきことでしょ」

解説:各種生活用品・食料品の値上げが各企業から発表され、マスコミを中心に毎度おなじみの家計が苦しくなるという論調です。そして、それと同じ口調で日銀が物価目標(インフレ率)2%を達成しないことを批判します。これは完全に矛盾しています。

値上げ=物価目標に近づくということ

言うまでもありませんが、物価が上がるということは、私たち消費者から見れば、購入する物やサービスが値上げになるということです。しかし、政府・日銀が目標としている物価目標(インフレ率)を達成させるという視点から見れば、物やサービスが値上がりしないといけません。

ということは、各企業が値上げをすることは、日本経済全体から見たら良いことです。①物価が上がる→②従業員の給料が上がる→③購買意欲が旺盛になり、みんなが消費をする→④みんながほしいから物やサービスの値段が上げられる状況になり、①に戻るというのが、経済が成長していくために理想的なサイクルです。

しかし、日本はバブル崩壊以降の「失われた20年」とも言われる低成長時代の中で、給料も上がらず、ロストジェネレーションと呼ばれる就職難も経験し、吉野家の牛丼や100円マックに代表されるように物価が下がるデフレに慣れてしまっています。

そのため、正常な物価目標に近づくために必要な値上げに対してもネガティブな感情を持ってしまっているのです。この状況を変えるためにも、国民の一人ひとりが物価目標と値上げの関係をはじめ、経済に対しての知識を得ていくことが必要です。

個人消費を伸ばすこと

個人消費は日本のGDPで60%を占めます。個人消費が伸びていかないと、日本経済も成長していかないのです。個人消費を伸ばすために必要なことは、もちろん、国民一人ひとりが多く買い物やサービスを利用することです。当然ですが、給料が増えないのに、買い物やサービスの利用を増やすことはできません。特に失業して仕事がなければ、買い物をするどころではありません。

そういう意味では、今の日本はようやくデフレ脱却のチャンスを迎えているといえます。失業率は2.5%前後を推移しており、有効求人倍率は全都道府県で1を超えています。また、リーマンショック後からは賃金も上昇率は低いですが、右肩上がりで上がっていっています。

失業率が下がり、人手不足となれば、各企業は労働力を確保しようとします。そのためにブラック企業と呼ばれる従業員への待遇が悪い企業は体質を改善するか労働市場で淘汰され、人材確保のために給料を上げる企業もでてきます。それでも労働力を確保できない企業は自動化やAIに投資し、生産性を上げようとします。結果として、自動化やAIの分野の成長が見込めます。そうなれば、日本全体の経済が成長し、GDPも押し上げ、給料が増えることで、個人消費も増えることが期待できます。

消費増税が個人消費を冷やす

現在の日本はそのような良いサイクルに入る一歩手前まで来ているのです。それに冷や水を掛けるのが今年10月に控える消費増税です。3%→5%のとき、5%→8%のときのどちらも経済指標を見れば、日本経済にとって悪影響を与えているのです。しかし、そんな難しい指標を見なくても、普通の私たちの国民生活で考えても、消費税が上がってからいっぱい買い物しようなどと思う人はいません。

ということは、確実に個人消費を押し下げる効果を発揮し、デフレへ逆戻りしてしまうことが予想されます。先述のGDPの約60%を占める個人消費が落ち込むということは、日本経済全体が衰退していきます。

中国の景気減退がはっきりしてきている上に、米中意貿易戦争、イギリスのブレグジットといったいずれも景気に「リーマンショック級」の悪影響を及ぼす可能性がある問題を世界経済が抱えている状況での消費増税は自殺行為と言えます。

国民全体として、消費増税に反対する機運を高めていくことが日本経済を救う道だと思います。国民一人ひとりができることは限られていますが、私自身は首相官邸や地元の議員にメールを送るとか、SNSで消費増税反対を拡散するとかの出来る行動を諦めずに取っていきます。

まとめ:「人件費」が値上げのひとつの原因

消費増税反対から、今回の値上げの話に戻して、話を締めたいと思います。今回の生活用品・食料品が値上げされる要因としては、多くの企業が原材料費・運送コスト、そして「人件費」が上昇したことを挙げています。

「人件費」が上昇するということは、先述の良い経済サイクルに入ろうとしていることの証拠でもあります。個人消費が増え、デフレ意識を克服するチャンスが来ています。 そのためにも国民一人ひとりが値上げと物価目標の理解を深め、「値上げで家計が大変」というだけのマスコミ報道に流されないようにする必要があります。

このような背景を理解して、目先の値上げで家計が辛いという目線とは違った視点で見ている今回の台詞も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

仮想通貨暴落-「結局強制通用力がなかったから

解説:仮想通貨市場が軒並み暴落しています。一時は200万円を越えたビットコインも 今は見る影もありません。一時は世の中を変えると言われた仮想通貨もブームが 終わってしまった感じがあります。話題にはなったものの、世の中に広まらなか った最大の原因は実際の支払いに使えるところが増えなかったからだと思います。 一部ネットショップなどで支払いに使えると話題にはなったものの、私達の普通の 買い物では使えるところはほとんどありません。

これは仮想通貨が強制通用力を 持たないからです。強制通用力と支払いを受け取る側がその通貨を受け取ることを 拒否できない力という意味です。日本で言うと日本円がそれに当たります。日本円 には法令によりこの強制通用力があることで、日本国内では日本銀行券(紙幣)は 無制限に支払いに使うことができるし、受け取る側も拒否することができません。

しかし、ビットコインは支払う側はビットコインで払いたくても、受け取る側が 拒否することができます。そうなると、いかに送金スピードが速いとか手数料が 安いといったメリットがあっても、全ての支払いには使用できない点が解消されて いない現状では日本円に代わることは難しいのです。「バブルだったから」とか 「あんな形のないもの、最初から無理だったんだ」と言った感想よりも賢く見える視点ではないでしょうか。

米中貿易戦争-「もう完全に米中冷戦の時代だからね」

解説:先の記事でも紹介したとおり、昨年のペンス副大統領の演説から中国は 完全に米国の敵として認識されています。その大きな理由が中国では資本取引 が自由化されておらず、中国に企業が進出すると技術が盗まれるという現実 があるからです。

中国に企業が進出すると必ず社内に共産党委員会を作ることが 求められ、その共産党委員会が技術の開示を求めてきます。その結果、技術が 盗まれ、米国企業の利益が損なわれているということに米国が気づいたのです。 その盗んだ技術でファーウェイが急成長したとも言われています。そのファー ウェイが次世代の5Gという通信の新規格を作ろうという段階まできたので、米国が 本気で中国を潰しにきているというわけです。通信の新規格を中国に握られる ということは、その規格の元に活動する企業や国の情報を全て中国に握られる 可能性があるということです。

それを防ぐための米国の対中国政策という視点 で見れば、トランプ大統領の意図も見えてくるのではないでしょうか。

米中貿易戦争-「アメリカは対中国に対して本気で潰しにいってるから、その視点で みると、意外とまともなんだよね」

トランプ大統領が中国に対しての関税の引き上げやロシアとのINF条約 からの離脱など、ムチャクチャな政策だと批判されていますが、昨年11月 に副大統領のペンスが行った演説を読むと、完全に中国に対してブチ切れて いて、中国がまともな国になるまで徹底的に対決していくことが示されてい ます。

その視点で見ると、ロシアとのINF条約の離脱の意味もわかってきます。これは冷戦時代にソ連と結んだ条約ですが、この条約はあくまでソ連(現ロシア)との2国間しか拘束しない条約なのです。つまり、中国を拘束しないため、中国は中距離核戦力を増強させ、その核で南シナ海の周辺諸国を脅してきました。中国の増長をこれ以上許さないという意味でのIMF条約の破棄なのです。

また、関税の引き上げにも裏側には中国の産業技術盗難への対抗があります。中国のハイテク産業は他国の知的財産を盗んで成長したと言われています。実際、ファーウェイでは社員のスパイ行為に報奨金が支払われていたという報道も出ています。ペンス演説でも知的財産の盗難に対して強く批判しています。その後のファーウェイの排除を見るとわかるように、スパイ行為を行ってきた中国へのしっかりした意思が見える政策になっているのです。

テレビではトランプ大統領が野蛮な人のように印象操作されていますが、 大きな対中国戦略という視点で見ると、非常に戦略的な政策になっている のです。続きは次の記事「もう完全に米中冷戦時代だからね」にて

キャッシュレス化-「日本は治安がいいからね」」

解説:日本では現金信仰が強く、電子マネー等が普及していてもなお 諸外国に比べるとキャッシュレス比率が20%と遅れています。 中国では屋台やはたまた物乞いまでのQRコードでお金のやり取りをして いるということで、日本は遅れている等の解説がされております。

もちろん、キャッシュレスにすることで、生産性が上がりることは 否定しませんし、個人的にも便利になると思います。 しかし、そこで人とは違う視点でキャッシュレス化に疑問を呈しましょう。 中国では人民元の偽札が多く出回っている為、スマホ決済のQRコードが 普及し、アメリカも同じ偽札への警戒、インドは高額紙幣の廃止、イギリス はデビットカードの普及とそれぞれ理由があってキャッシュレス化が 進んでいるんです。

また、キャッシュレスにはお金の移動がすべて政府に捕捉されてしまうといったデメリットもあります。もちろん、脱税防止に使うのでしたら良いのでしょうが、国民の経済活動がすべて筒抜けになることは、管理社会への一歩になりかねません。特に中国では政府が国民一人一人を格付けをして管理するという話も出ているのです。

実は偽札の心配が少なく、そして何よりも治安が良いこと が現金を持つ人が多い理由なんです。日本の制度や社会の仕組みが悪いから 普及しないのではなく、逆に良い点があるから普及しないんだという 逆転の視点で見ると良いかもしれません。

国の借金-「それなら何で国債の長期金利があんなに低いんだよ」

解説:よくテレビで国の借金が1000兆円を越えて~とか国民一人 当たりにすると~のような話を聞きますが、その国債の金利は 10年で0.01%以下なんです。

つまり、みんなが国債を買っ ても10年後にきちんと帰ってくると思っているんです。どうして かと言うと、確かに1000兆円以上の負債はありますが、逆に日本国は 多くの資産も持っているからです。基本的に帰ってくる可能性が 低い人や法人にお金を貸すときは金利が高くなりますよね? 例えば通貨危機にあるアルゼンチンの国債の金利は20%を越えて います。それを考えると、日本が本当に借金がヤバくて、財政破綻して 借金が返せなくなるとマーケット関係者が考えているならば、もっと 金利が上がっていないとおかしいですよね?ってことです。

実は昨年、IMFのレポートで日本に財政危機はないという報告がされているのです。こうしたこともマスコミで報じられることもありません。マスコミが良く言う「国の借金が~」というのが、本当なのか視点を変えて見てみると答えが見えてくるかもしれません。