統一地方選・野党共闘失敗-「これは衆参ダブル選挙の実施に大きく影響するかもね」

解説-4月8日に統一地方選挙が行われました。大阪維新の会が知事・市長のダブル勝利や保守分裂等の色々な話題がありましたが、北海道知事選挙では唯一の与野党一騎打ちの結果、与党側の勝利に終わりました。

共産党とまで組んだ野党共闘が野合と有権者に見られたという見方もありますが、私はこれが国政の衆参ダブル選挙回避に動くのではないかと懸念しています。衆参ダブル選挙がないということは、消費増税が回避できないことになるからです。

野党共闘が通用しない?

今回の北海道知事選挙は立憲民主、国民民主、共産、自由、社民の主要野党5党が「雇う統一候補」を推薦しました。今年夏の参議院選挙の改選一人区の野党共闘に向けた試金石となる一戦でしたが、与党候補に負けるという結果に終わりました。

しかも、北海道は伝統的にリベラルが強く、自治労や日教組の支持基盤も固い地域です。そこでも野党共闘しても勝てないということは、この夏の参議院選挙の改正一人区だけでなく、衆議院選挙での野党共闘に関しても暗雲が立ち込めた結果となってしましました。

今回はあくまで北海道という一地方の選挙結果にすぎず、対立候補の鈴木氏の知名度が高かったということもあり、この結果がそのまま国政選挙へ当てはまるかというと疑問符が付きますが、今回の統一地方選唯一の与野党一騎打ちに負けたという事実は重いものがあります。

衆参ダブル選挙を回避?

野党側としては野党共闘の戦略の見直しが必要となるでしょう。逆に心配なのが、自民党と官邸の動きです。この一騎打ちの勝利に気を良くして、「野党共闘恐るるに足らず」となってしまえば、衆参ダブル選挙をやる動機が減ってしまうからです。

そもそも、衆参ダブル選挙を行う動機の1つは、参議院選挙は一人区で野党共闘が成立する可能性が高く、自民党が苦戦する可能性があるということでした。これに対して、衆議院を解散して衆参ダブル選挙を行えば、衆議院選挙について野党側の準備する時間がなく、選挙区間の調整が難しいため、結果的に野党共闘を潰す形になり、与党側に優位に働くという計算に基づいたものでした。

しかし、衆参ダブル選挙はリスクが大きいことも事実で、参議院選挙だけであれば政権選択の選挙にはなりませんが、衆議院選挙もダブルで実施すれば、即政権選択の選挙となります。これで負ければ、文字通り自民党は野党に転落することになり、安倍総理は戦後最長の在任期間の栄光を目前に、逆に自民党を野党に転落させた総裁として、歴史に名を残す危険性もあります。

実際のところは、現状の政党支持率を見れば、自民党の大敗は考えにくいのですが、小選挙区制で1選挙区に一人しか当選しない制度である以上、スキャンダルなどで逆風が吹けば一気に大敗へと向かう危険性は常にあります。そうすると、政権を安全運転させようと思えば、参議院選挙だけにしておく考えが頭をもたげてくる可能性があります。

消費増税が予定通り実施される危険

衆参ダブル選挙が回避される一番のデメリットは消費増税が予定通り行われてしまう危険性が高くなるということです。以前の記事でも説明した通り、今年11月の消費増税は法律によって決まっているので、凍結するには法改正が必要となります。

衆議院解散を打つ際には、解散の大儀が必要となります。衆議院解散時は小泉元総理の郵政民営化解散のような、これまでとは異なる政策の大転換を提示し、それを争点として直接民意を問うという形をとれます。そこで、「世界経済の減退の懸念を受け、消費増税を延期(凍結)する」を掲げ、選挙に勝てば、そのまま民意を得たとして消費増税の法改正が可能です。

しかし、参議院選挙単独となれば、政権選択選挙ではなくなるので、参議院選挙でこれまでと異なる消費増税の延期(凍結)という政策の大転換を公約として問うことは難しくなります。当然、財務省をはじめ、消費増税をしたい勢力は参議院単独にするように助言するでしょうし、自民党の衆議院議員も解散になれば、一斉に一旦は首になるわけですから、反対する声が大きくなるでしょう。

まとめ:安倍総理には決断を

今回の野党共闘の失敗が衆参ダブル選挙に影響を与え、消費増税が延期(凍結)されない危険につながっていくことを書いてきましたが、安倍総理には反対勢力に負けず、衆参ダブル選挙の決断を望みたいです。そもそもどの野党も支持率が上がらず、自民党を脅かす状況ではないということが、現在の自民党の甘えと驕りにつながっていると思います。

私たち国民も野党に対しても、厳しい目を持ち、反対ばかりでなく、大阪ダブル選で勝利した大阪維新の会のような、しっかりとしたビジョンと対案がある野党を育てていくことが、自民党の甘えと驕りをけん制することにつながると思います。

今回の統一地方選挙と野党共闘の失敗は野党の危機だけでなく、回りまわって消費増税を予定通り進めるようになる危険性を増やすという見方も、人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

消費増税・世界経済の減退-「まだ消費増税を取りやめる可能性は残っているかもよ」

解説-年度内に来年度予算が成立していきましたが、安倍総理もその他閣僚も今年の10月に予定通り消費増税を行うという発言を繰り返しています。しかし、その発言の内容と背景を見れば、まだ消費増税を取りやめる可能性は残っていると思います。

予算が成立するまでは消費増税を予定通り行うとしか言えない

安倍総理はこれまでに何度も予定通りに消費税の引き上げを行うと発言していますが、2018年10月15日の臨時閣議でも改めて、「19年10月に消費税を10%に引き上げる。あらゆる施策を総動員して経済に影響を及ぼさないように全力をあげる」と発言しています。また、その後の通常国会の施政方針演説でも「消費税率の引き上げによる安定的な財源がどうしても必要だ」と発言しており、10月の消費増税は覆せない決定事項のように見えます。

しかし、これらの発言の背景を見ていくと、まだまだ消費増税回避のシナリオはあり得ると思います。そもそも、通常国会前半の最大のテーマは新年度予算案を成立させることです。この予算案は来年度に見込まれる税収に対して、それをどのように使っていくかというものです。

来年度予算案の中で、来年度見込まれる税収の中に10月以降の消費増税分の税収も含まれています。そして、その税収を基に支出が計算されているため、具体的には幼児教育の無償化については、消費増税分の税収が充てられる案となっています。そのような予算案を提出している中で、もし、消費増税がなくなれば、この予算案自体が税収分の計算が合わなくなるため、全てやり直しとなってしまいます。

そうなれば、今年度中の予算成立は間に合わない事態に陥りますし、そもそも、消費増税自体が法律で決まっているため、消費増税の撤回は新しく法律を作る必要があります。だからこそ、安倍総理が消費増税を予定通り行うと言い続けるのは、本心がどこにあるにせよ、予算を成立させるためには当然の発言なのです。

5月頃から潮目が変わるか?

このように見ていくと、現在までの安倍総理の消費増税を予定通り行うという発言はあまり意味がないということになります。実際に安倍総理もその他閣僚も、消費増税に関する発言をする際には「リーマンショック級のことが起こらない限り」という枕詞を付けて発言しています。ということは、リーマンショック級が起これば、増税しないということです。

目下の世界情勢と経済状況を見てみると、イギリスはEU離脱についての案が何度も否決されており、合意なき離脱が現実味を帯びてきています。さらに、中国の景気減退は隠せなくなってきており、大規模な減税措置が取られると発表されています。また、中国経済減退の原因となった米中貿易戦争も終わりが見えず、仕掛けた側のアメリカ経済にも影響が出る可能性が指摘されており、FRB(米連邦準備理事会)は世界景気の減速を警戒し、2019年度中の利上げを行わないことを発表しました。

このように見ていくと、すでにリーマンショック級のことが起こっていると考える方が自然なくらい、世界経済の先行きに対して、各国が懸念しています。日本は政府の月例経済報告では表現を下方修正したものの「景気は緩やかに回復している」という判断を堅持しています。ですが、これはいわゆる「大本営発表」のようなもので、政府の主観が入っているため、実体経済を反映しているかは微妙です。実際に、客観的な数字である3月の景気動向指数では3ヶ月連続の下降となっています。

5月20日には1~3月期のGDP(国内総生産)速報値が出ますが、現状でいい数値が出ることはほぼ期待できません。それまでにも4月の景気動向指数や消費者物価指数等で景気減速を示す数字が出ることが予測されます。そのような景気減速の雰囲気がある中でGDP速報値が大きなマイナス成長となれば、消費増税を撤回する理由に十分なり得ると思います。

まとめ:消費増税撤回を大義に衆参ダブル選挙

もし、消費増税の撤回を決めたとしても問題になるのが、先述した通り、消費増増税は法律で決まっているという点です。消費増税を撤回するためには、新しい法律の制定が必要となります。

そこで出てくるキーワードが「衆参ダブル選挙」です。今年は参議院の改選が行われる年で、7月21日が有力視されています。この日を衆参ダブル選挙にするという話がちらほら出てきているのです。

そのためには衆議院を解散して民意を問うための大義が必要になります。そこで、世界経済の減速と5月のGDP速報値とそれまでに出る高確率で悪化している経済指標をもって、日本経済減速回避のために消費増税撤回を大義とするのです。

衆参ダブル選挙にすれば、参議院では統一候補を模索している野党も、衆議院での統一候補擁立は難しいと言われていることも、安倍総理に衆参ダブル選挙を決断させる追い風になると思われます。

しかし、当然ながら何としても増税をさせたい財務省からの徹底抗戦が予想されます。例えば、予算案で幼児教育無償化に消費増税分を充てていることを挙げて、情報戦を仕掛けることも考えられます。これは単純に補正予算を10月までに成立させて、幼児教育無償化にかかる2兆円の財源を確保すれば済む話です。例えば、教育国債という形で予算措置を行えば済む話なのですが、マスコミを使ってまた財政破綻のデマをまき散らす可能性があるので注意が必要です。

こうした増税派の反対に負けることなく、日本経済の安定した成長のためにも消費増税の撤回を大義として衆参ダブル選挙を行ってほしいと思います。このように、まだまだ消費増税の撤回の目があるという見方は人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

新元号・令和-「保守派に配慮して日本の古典から選ぶことでバランスをとったな」

解説:4月1日11時半過ぎからの菅官房長官の記者会見の場で、新元号が「令和」となることが発表されました。この「令和」は万葉集が出典ということで、これまで中国の古典から選ばれてきた元号が、今回初めて日本の古典から選ばれることになりました。この背景には、保守派への配慮が見え隠れしています。

ご譲位前の新元号発表に反対だった保守派

新元号の発表時期に関しては、ご譲位が決まってから様々な意見が出されていました。ITがこれだけ発展した現代社会において、プログラムの変更に時間がかかるため、早く発表してほしいという意見がある一方で、保守派からは早く公表することで、国民の関心が新天皇に向かい、現天皇が軽んじられかねないという批判もありました。

保守派の一部は「一世一元」の伝統を重視する立場から、そもそも新天皇が即位するまでは新元号を決めるべきではないという論調でした。しかし、IT化がここまで進んだ現代社会になり、各種情報システムの改修が必要な中では、早期に新元号を発表しなければ、国民生活に悪影響がでることも事実です。

「伝統」か「利便性」かという問題は、天皇陛下に限らず、日本独自の文化の中でしばしば直面する問題ですが、今回の新元号の1ヶ月前の発表というのは、伝統と利便性の間で何とか調整したギリギリの判断ではなかったかと思います。

参議院選挙前で保守派の支持を得たい首相

一方で政府サイドから見ますと、今年7月に迫る参議院選挙を見越して、保守派の支持層を失いたくないとの思惑があります。いわゆる保守派と呼ばれる層が安倍首相の岩盤の支持層であることは間違いありません。最近の改正入国管理法や実現はしていませんが、憲法に自衛隊に加憲で対処する案などは、岩盤の支持層である保守派からも懐疑的な意見が出ていました。

そのような状況下での新元号発表を新天皇ご即位前に前倒しするということは、保守派からの更なる反発が予想させる状況でした。そんな中で、2018年8月に新元号制定の際に中国の古典だけでなく、日本の古典も選択肢に入れて検討するというニュースが出ました。 この時のニュースはあくまで選択肢の一つとして日本の古典も検討するというニュアンスでしたが、もしかすると、この段階で日本の古典から出典することは規定事項だったのかもしれません。

実際の新元号決定の裏側は分かりませんが、客観的事実を見てみますと、保守派が反対する新天皇ご即位前の新元号発表は社会システム上不可避でしたし、その結果として保守派が反発したことは事実です。しかし、今回の日本の古典を出典として「令和」という新元号の決定により、保守派としては「中国の古典によらず、日本の古典から選んだこと」について、良い印象を持つことは確実でしょう。

保守派を黙らせる深謀遠慮?

保守派から見れば、「一世一元」の伝統を無視したことはマイナスですが、「中国の古典から選ぶ」という伝統を無視し、「日本の古典から選ぶ」ということはプラスになります。ここでのポイントはプラス点もマイナス点も保守派が言うところの「伝統」は同じく1つずつ無視をしている点です。

これでは文句を言いたくても言いづらい状況になります。保守派がマイナス点の発表時期に対して「伝統無視だ」と文句を言えば、ブーメランとしてプラス点の日本の古典から選んだことも同じく「伝統無視だ」ということになるからです。

まとめ:事実は何十年か先までわかりませんが・・・

もちろん、そのような政治的理由だけで新元号が決まったとは思いたくないですし、実際には有識者の懇談会により決めることになっているので、政府が直接新元号を決定されることはできません。

しかし、最近「平成」が決定するまでのプロセスが報道されるようになった中で明らかになってきたこととして、有識者の懇談会において、「平成」が選ばれるように他の候補を「修文」、「正化」とアルファベットで標記した時に「平成」以外は昭和とかぶる「S」が頭にくるものを選んで、誘導したという話も出てきています。

今回の「令和」決定のプロセスが明らかになるのは何十年先の話になると思いますし、実際のところは私の考えすぎである可能性も十分あります。しかし、このように新元号が初めて日本の古典から出典されたという事実の背景を政治的に考えてみることは、人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

新元号・元号廃止-「元号廃止なんかしたら、反日勢力が泣いて喜ぶよ」

解説-平成の終わりが近づいてきて、いよいよ来週には新元号の発表が控えていますが(H31.3.27現在)、ここにきて、元号不要論が散見されます。西暦で統一したほうがわかりやすく、パソコンなど電子機器のシステム上も便利だという意見です。しかし、元号の意義を考えると元号の廃止は、日本を弱体化したい勢力が泣いて喜ぶ程の愚行だと思います。

元号のはじまりと意義

元号は中国の漢の武帝が自分の治政の始まりを「建元元年」としたのがはじまりですが、それを日本が取り入れ、西暦645年に「大化」が制定されてから、日本では現在まで240以上の元号が制定され、維持されています。ちなみに本家の中国は現在では元号が廃止され、西暦を採用しています。

日本の元号の特徴は朝鮮半島のように、中国王朝の元号を採用せず、独自の元号を使用していることです。これは中国政治圏からの独立を意味し、「天皇」という中国の「皇帝」に対抗する概念を示した聖徳太子の隋の煬帝に当てた国書を起点とする日本の独立の象徴とも言えます。

その後、武士政権が台頭し、政治権力の実権は幕府が握るという時代が長く続きましたが、権威としての天皇は途切れることなく、万世一系で続いています。幕府の力が強くなった時代には、元号についても幕府からの介入はありましたが、最終的には天皇の名において、勅定されたという形をとっています。

つまり、元号とは日本の独立を象徴するものと同時に、天皇陛下が国民・国家統合の最高権威として仰がれてきたという日本文化の象徴といえるのです。

天皇陛下と日本国民

このように天皇陛下と元号は日本文化の象徴であり、元号がはじまりの「大化」から現在の「平成」まで途切れずに続いてきたことは、そのまま同じく天皇陛下が変わらずに国民・国家統合の最高権威として私たちと共に歩んでこられた歴史そのものです。

天皇陛下は血統を遡れば天照大神までたどり着くとされていて、皇室の始祖は神様であるとされています。これは天皇反対派が言うDNAなどの科学的な根拠の有無は問題ではなく、このような神話に基づいた天皇家を日本国民が歴史的に受け入れ、そのように信じて、守ってきたということが大事なのです。

天皇反対派はすぐに「歴代天皇の寿命が長すぎるのはおかしい」、「天照大神の子孫であるという科学的根拠はない」と言います。そして、そのような天皇陛下を国民の上に置くのは「身分制度だ」や「法の下の平等に反する」という批判へと続きます。

しかし、西欧社会においてもキリスト教徒にとっては、イエス・キリストが起こした「奇跡」は事実として認識されていますし、イスラム教徒にとっても、預言者ムハンマドが起こした「奇跡」は事実です。それぞれ科学的には信じがたい「奇跡」ですが、それぞれの宗教を信じている人々にとっては信仰の対象となる偉人が起こした「事実」となるのです。

同じように日本国民を見ていけば天皇家の始祖が天照大神であるということを、これまでの古くからの大多数の国民が信じ、その国民の支持の中で現在も途切れることなく天皇家が存在しているということは、日本国民にとって、天皇家が天照大神に繋がる万世一系という神話は「事実」なのです。

キリスト教やイスラム教にとっての「奇跡」に当たるのが日本における「天皇の万世一系」であると捉えれば、科学的根拠がないといって天皇制に反対する人々の論理は論点が違うため、話にならないと言えるでしょう。

元号の廃止は日本国内の分断に繋がる

このように天皇陛下は日本国民にとって国民の多くが信じるいわば「日本教」と呼べるような独特の「宗教」を形作る一つの重要な要素であるとも言えます。ただの国民・国家統合の象徴というだけでなく、神話の世界から連なってきた高貴な血統を持つ畏れを抱く存在として天皇陛下が存在していると思います。

その日本国民の「畏れ」の感情がどこから来るかと言えば、「天照大神から万世一系」という「奇跡」を何となく信じているという宗教観があるからだと思います。もちろん、天皇制反対派にはそういった感情はなく、天皇陛下を一人の国民として平等に扱うことこそ正しいという考え方でしょうが、大多数の国民は今現在も天皇陛下に対して尊敬の念を抱いているのです。

大事なことは、私たちは宗教について普段意識することはなく、無宗教だと思っている人が大多数ですが、根底には天皇陛下を畏れる気持ちがあること自体が宗教の一部だということです。つまり、天皇陛下のご存在を通じて、無宗教と呼ばれる日本人も宗教的な意識が共有されているのです。この意識が日本国民を束ねている力であり、だからこそ、反日勢力からすれば、この力をなくし、日本国民を分断することが彼らに利益になるからこそ、天皇制にも反対するし、その延長線上で元号にも反対するのです。

まとめ:反対論の裏側に反日が隠れていないか?

天皇陛下と元号が日本国民にとって国民を束ねる力がある以上、日本が強くなると困る勢力は全力でこれを解体しようとするでしょう。中国共産党の最大の対日戦略のゴールは皇室を解体することだと言われています。それほど、私たちが意識していなくても、天皇陛下のご存在が日本国民を束ねる力になっているのです。

これからも元号に対して、非効率的だとか、グローバル化に反するとか、IT世界の技術的に無駄が多い等の多くの批判が出てくるでしょう。しかし、その反対論の背後に日本の強さを挫くような日本分断工作が隠れていないかという意識を持つことが大事になると思います。

単に底意のない技術的な反対論に対しては、元号と天皇陛下の存在と国民の宗教観といった背景を理解したうえで、どちらが重要なのかと議論をしていく必要があると思います。 元号について、様々な意見が出ているこの時期にこのような歴史的、文化的背景を知ったうえで、単なる技術的な反対論に潜む危険を知らせるこの台詞も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

NHK・ワンセグ・最高裁判決-「確実にテレビ離れを加速させるよね。民放は怒らなきゃ。」

解説:テレビを視聴できるワンセグ付きの携帯電話を持つとNHKと受信料契約を結ばなければならないかどうかが争われた裁判で、最高裁は契約義務はないとした原告の主張を退けました。結果として、契約義務があるとしたNHK側の勝訴となり、今後はワンセグ付きの携帯電話を持っているだけで、NHKの受信料契約の義務が発生することになります。

そうなると、当然見たくない国民はワンセグが付いていない携帯電話を使用することになり、テレビ離れが加速することが予想されます。

テレビが時代遅れになっている現状

youtubeや様々なネット配信の動画サービスが充実してきている現状で、テレビというものが不便になってきています。テレビは見たい番組を「放送されている時間にリアルタイムで最初から最後まで」見ることが必要になります(録画は除く)。これに対して、ネット配信の動画サービスでは見たい番組を「見たい時に何度でも途中で視聴を止めても再度続きから」見ることが可能です。

しかも、テレビは巻き戻すことができませんが、ネット配信の動画サービスは巻き戻して繰り返し同じ場面を見ることも可能です。このように見ていくと、自由度の低いテレビが自由度の高いネット配信の動画サービスに席巻されていくことは必然であると言えるでしょう。

このような時代の中で、見たくもない自由度も低いテレビの中の一つの放送局であるNHKの受信料に疑問を感じる国民が増えてきています。受信料を払いたくないから、ワンセグ付きの携帯電話は買わない、テレビも設置しないという若者はこれからどんどん増えていくと思います。

NHKが民放を滅ぼす

放送法64条には「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置したものは、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」とあります。つまり、「受信設備」がなければ、契約義務がないということになります。

そうなれば物理的テレビが映らなければ、契約義務はないことになり、テレビがなくてもネット配信の動画サービスやyoutube等のネット番組が主体となってきている10代以下の学生を中心とした若者は将来、「受信設備」を設置しない可能性が高いです。

現在は学生であれば、家では保護者がテレビを所有しており、その保護者がNHKと契約しているケースがほとんどでしょう。しかし、その学生が家を出て、別の世帯主となる時代には、「受信設備」を持たず、NHKと契約しない世帯が増えていくでしょう。

このような事態になれば、NHKと同じテレビやワンセグ付き携帯という「受信設備」がなければ商売ができない民放は、単純に視聴者の総数が圧倒的に減少するという事態に直面することが予想されます。

民放は近い将来のこの危機的状況が見えてないのでしょうか。現在もテレビがある程度の影響力を持っているのは、テレビやワンセグ付き携帯電話という「受信設備」が各家庭にあり、そこで今後はテレビ離れが進むであろう10代以下の若者も食事や家族団らんの際に主に保護者と共にテレビを見ているからです。

その10代以下の若者が家を出て、別世帯になっても「受信設備」を設置してもらうことが、民放が最低限やらなくてはならない経営努力であるのに、今回のNHKの最高裁判決に対しても全く危機感が感じられません。このままだと、民放はNHKに潰されてしまうと言えます。

スクランブルを何故かけないのか

今回のワンセグ付き携帯電話についての裁判もそうですが、近年、NHKを見たくもないし、見ないのに何故受信料を払わなければならないのかと思う国民が増えています。見たくもないのに勝手に電波を送りつけて、それを受信できる「受信設備」があるから、契約の義務があるというのは、あまりにも勝手だと思います。

そもそも、何故契約をしていない人の「受信設備」で見ることができるままにしているのかということです。例えば、スカパーやWOWOWは契約するまでスクランブルがかかっています。同じようにNHKも契約をするまで、スクランブルをかければ良いのです。

そして、見たい人だけが契約し、契約した人だけが、スクランブルを解除するようにすれば、問題は解決すると思います。もちろん、公共放送としての役割もありますから、緊急のニュースや緊急地震速報等はスクランブルを解除し、全員が見られるようにします。その緊急時の放送に掛かる費用は、受益者全員が公平に負担する必要はあるので、テレビを購入する際にその分を上乗せし、全員で負担するものとします。

こうすれば、NHKを見たい人だけが契約し、公共放送の緊急放送の部分のみ受益者全員の負担とする公平な制度が成立すると思うのです。

まとめ:国民が声を上げよう

これから若い世代になるにつれて、殿様商売のようなNHKも徐々に苦しくなっていくでしょう。しかし、NHKは次にネット配信を強化しようとしており、ネットに繋がっているだけで受信料を取れるような手を打ってくると思われまし、実際にそのような動きも具体化しつつあります。

現在は先述のように特にNHKを不要と思っている10代以下の若者世代が自分たちで受信料を負担していないので、国民の大きな声とはなっていませんが、その世代が世帯主になって、NHK契約問題に自らが直面するとき、今のような強制的に契約が必要というビジネスモデルに対しては大きな不満が噴出するでしょう。

そうなってしまったとき、「受信設備」が設置されなくなる民放が生き残っていられるでしょうか。民放は今こそ正念場でNHKに対して声を上げるべきだと思います。それでも声が上がらないとすれば、民放もまた同じ電波利権村という斜陽産業の村民なのでしょう。

今回の判決が持つ意味をNHKだけでなく、「受信設備」の減少から民放の危機にまで発展される見方は、他とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

原発再稼働・もんじゅ-「日本は資源がなくて戦争に追い込まれたことを思い出そうよ」

解説-福島第一原発の事故から8年が経ちましたが、廃炉は未だ途中で、帰還困難区域の方々は故郷に自由に足を踏み入れることもできない状況です。原発事故が人々の普通の平和な生活を奪ったことについて、電力会社をはじめ、原発村の人たちには痛切に反省してほしいと思います。

しかし、だからといって原発絶対反対となり、全原発を止めてしまえという論調に飛躍することは、過去の戦争の失敗から目を背けることだとも思います。

資源がないことの弱さ

「日本は資源がない国」とよく言われます。だからこそ、技術を磨いて、品質の信頼性を上げ、世界で勝負してきました。家電は一時期の最盛期はすぎた感がありますが、自動車は今でも世界のトップクラスにあります。

日本は中東の国々やロシアのように石油や天然ガスなどの資源がなく、そうせざると得なかったのです。だからこそ、現在も石油は99%以上を輸入に頼っており、エネルギー自給率も10%未満という状況です。

これは戦前も同じ状況で、石油輸入の8割を頼っていたアメリカから石油輸入を止められたことで、対米開戦と南進へと進まざるを得なくなったのです。対米開戦の結果、各都市に空襲による都市空爆、広島・長崎に原爆を落とされ、日本は焼け野原となって敗戦しました。

あの戦争を繰り返してはならないという気持ちは日本国民なら誰もが同じ思いだと思います。では、どう繰り返さないようにするのかが大事です。

ここでもう一度、対米開戦の原因を振り返ると、日本に対して1937年に米国・英国・中国・オランダによる「ABCD包囲網」が敷かれたことにより、石油が入ってこなくなったことが大きな原因です。これにより、日本に石油が入って来なくなり、石油を確保するために日本は東南アジアに進出せざるを得ず、そこはいわゆる連合国の植民地であったため、米国を含めた連合国との無理な戦争に突き進んで行ったのです。

石油は当時のエネルギーの根幹です。石油がなければ、戦艦も戦闘機も動かせず、軍事力が実質的に使えなくなるという状況でした。1917年第一次世界大戦中のフランスの首相が米国の大統領に石油の要請をした電報の中に「石油の一滴は血の一滴」と表現されているほどです。

実際に、1941年に国が行った総力戦研究所でも開戦すれば石油が底をつき、日本が敗北するという研究結果が出ていたのです。それでも、戦争をせざるをえない状況に追い込まれたのは、エネルギーがなかったという一点につきます。

もんじゅが持つ別の意味

エネルギーが敵国に握られていたせいで、戦争に追い込まれ、悲惨な敗戦を迎えてしまった日本は、戦後それを克服する努力を十分にしてきたでしょうか。

戦後エネルギーに関して大きく変わったことは、原子力という新しいエネルギーが出てきたことです。原子力は少ない資源から大きなエネルギーを得ることができますが、安全性に関してはリスクがある資源です。この原子力を日本が推進してきたことは、戦前の反省という意味ではエネルギーの供給先が偏るという戦前の反省を生かした国防上、必然と言っても良い判断であったと思います。

その後日本は、高速増殖炉のもんじゅを推進していきます。もんじゅが完成すれば、プルトニウムを燃やして増殖させることで、永遠なエネルギーを得るという計画でした。しかし、1兆円以上の開発費を投じたもんじゅは、結局1Wの電気も生み出さないまま、廃炉となることとなりました。

ここで問題にしたいのは、このもんじゅが反対派の言うように原子力利権のための無駄遣いだったのかということです。もちろん、大量の国費が使われ、ナトリウム漏れを含めて、何度も問題を起こし、将来も実現が難しいという状況になっても、失敗を素直に認めず、さらに無駄な国費を費やしたことについては、徹底的に追及されるべきだと思います。いわゆる原発村に流れていた国費が利権と化していたのも事実でしょう。経産省をはじめ、失敗の原因は徹底的に追及するべきです。

しかし、もんじゅが成功すれば、プルトニウムを増殖させることで、日本が名実共に自前のエネルギーを持つことができました。この理念は間違っていないと思います。自前のエネルギーを確保しなければならないというのは、戦前の反省そのものだからです。

まとめ:歴史の反省としての原子力

このような視点に立つと、原発の再稼働も違った見方ができると思います。福島第一原発のように、原発は事故を起こすと土地や海まで汚染して、国民が住めない土地になってしまうという大きなリスクがあります。しかし、そのリスクと経済上のメリットという視点だけでなく、国防・安全保障としてのエネルギーという視点も加えた上で、選択していくことが必要ではないかと思います。

それでも国民が国土を汚してしまう可能性がある原発再稼働に反対であるならば、メタンハイドレートなどの日本の新たな資源を全力で開発することや、米国のシェールオイルの輸入を増やすことや、ロシアから天然ガスのパイプラインを引く等の具体的なエネルギー確保の代案がなければ、先の戦争の失敗が無駄になってします。

また、逆に原発再稼働を推進していく際には、そのリスクを最小限まで減らせるように、技術開発に投資をし、第三者機関による運用状況の監視といった施策を取っていく必要があります。原子力は安全という神話は初めからないという視点で、現実的なリスク軽減の方法を海外にも習って追及すべきです。

このように原発再稼働やもんじゅについて、原子力は危険だという視点だけでも、原子力は経済的にメリットがあるという視点だけでもない、歴史の反省としてのエネルギー確保という新しい視点でみたこの台詞も人とは違った視点と言えるのではないでしょうか。

食品・生活品の値上げ-「デフレ脱却する為には歓迎すべきことでしょ」

解説:各種生活用品・食料品の値上げが各企業から発表され、マスコミを中心に毎度おなじみの家計が苦しくなるという論調です。そして、それと同じ口調で日銀が物価目標(インフレ率)2%を達成しないことを批判します。これは完全に矛盾しています。

値上げ=物価目標に近づくということ

言うまでもありませんが、物価が上がるということは、私たち消費者から見れば、購入する物やサービスが値上げになるということです。しかし、政府・日銀が目標としている物価目標(インフレ率)を達成させるという視点から見れば、物やサービスが値上がりしないといけません。

ということは、各企業が値上げをすることは、日本経済全体から見たら良いことです。①物価が上がる→②従業員の給料が上がる→③購買意欲が旺盛になり、みんなが消費をする→④みんながほしいから物やサービスの値段が上げられる状況になり、①に戻るというのが、経済が成長していくために理想的なサイクルです。

しかし、日本はバブル崩壊以降の「失われた20年」とも言われる低成長時代の中で、給料も上がらず、ロストジェネレーションと呼ばれる就職難も経験し、吉野家の牛丼や100円マックに代表されるように物価が下がるデフレに慣れてしまっています。

そのため、正常な物価目標に近づくために必要な値上げに対してもネガティブな感情を持ってしまっているのです。この状況を変えるためにも、国民の一人ひとりが物価目標と値上げの関係をはじめ、経済に対しての知識を得ていくことが必要です。

個人消費を伸ばすこと

個人消費は日本のGDPで60%を占めます。個人消費が伸びていかないと、日本経済も成長していかないのです。個人消費を伸ばすために必要なことは、もちろん、国民一人ひとりが多く買い物やサービスを利用することです。当然ですが、給料が増えないのに、買い物やサービスの利用を増やすことはできません。特に失業して仕事がなければ、買い物をするどころではありません。

そういう意味では、今の日本はようやくデフレ脱却のチャンスを迎えているといえます。失業率は2.5%前後を推移しており、有効求人倍率は全都道府県で1を超えています。また、リーマンショック後からは賃金も上昇率は低いですが、右肩上がりで上がっていっています。

失業率が下がり、人手不足となれば、各企業は労働力を確保しようとします。そのためにブラック企業と呼ばれる従業員への待遇が悪い企業は体質を改善するか労働市場で淘汰され、人材確保のために給料を上げる企業もでてきます。それでも労働力を確保できない企業は自動化やAIに投資し、生産性を上げようとします。結果として、自動化やAIの分野の成長が見込めます。そうなれば、日本全体の経済が成長し、GDPも押し上げ、給料が増えることで、個人消費も増えることが期待できます。

消費増税が個人消費を冷やす

現在の日本はそのような良いサイクルに入る一歩手前まで来ているのです。それに冷や水を掛けるのが今年10月に控える消費増税です。3%→5%のとき、5%→8%のときのどちらも経済指標を見れば、日本経済にとって悪影響を与えているのです。しかし、そんな難しい指標を見なくても、普通の私たちの国民生活で考えても、消費税が上がってからいっぱい買い物しようなどと思う人はいません。

ということは、確実に個人消費を押し下げる効果を発揮し、デフレへ逆戻りしてしまうことが予想されます。先述のGDPの約60%を占める個人消費が落ち込むということは、日本経済全体が衰退していきます。

中国の景気減退がはっきりしてきている上に、米中意貿易戦争、イギリスのブレグジットといったいずれも景気に「リーマンショック級」の悪影響を及ぼす可能性がある問題を世界経済が抱えている状況での消費増税は自殺行為と言えます。

国民全体として、消費増税に反対する機運を高めていくことが日本経済を救う道だと思います。国民一人ひとりができることは限られていますが、私自身は首相官邸や地元の議員にメールを送るとか、SNSで消費増税反対を拡散するとかの出来る行動を諦めずに取っていきます。

まとめ:「人件費」が値上げのひとつの原因

消費増税反対から、今回の値上げの話に戻して、話を締めたいと思います。今回の生活用品・食料品が値上げされる要因としては、多くの企業が原材料費・運送コスト、そして「人件費」が上昇したことを挙げています。

「人件費」が上昇するということは、先述の良い経済サイクルに入ろうとしていることの証拠でもあります。個人消費が増え、デフレ意識を克服するチャンスが来ています。 そのためにも国民一人ひとりが値上げと物価目標の理解を深め、「値上げで家計が大変」というだけのマスコミ報道に流されないようにする必要があります。

このような背景を理解して、目先の値上げで家計が辛いという目線とは違った視点で見ている今回の台詞も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

米韓軍事演習終了・民族の核-「韓国は北朝鮮の核を民族の核だと思い込んでいるよね」

解説:第二回米朝首脳会談が終わって直後、米韓合同軍事演習の終了が発表されました。表向きは対北朝鮮の非核化に向けた信頼醸成のためと見られます。普通に考えれば、韓国国防力の低下ですが、文在寅大統領はほくそ笑んでいると思います。

米朝首脳会談後のサプライズ

この米韓合同軍事演習の発表は米朝首脳会談直後の3月3日(日本時間)に行われました。トランプ大統領は「節約のため」としていますが、この決定の影響は非常に大きいと思います。

北朝鮮から見た見方

北朝鮮側から見れば、この決定は第二回米朝首脳会談が何の合意もなしに終わってしまい、制裁解除への期待値が上がっていた中で大きなサプライズプレゼントだったと言えます。毎年春に行われている米韓合同軍事演習は北朝鮮が強く反発してきた演習でした。理由は軍事演習そのものが戦争の前段階とも言える行為だからです。国境付近で軍事演習をやるということは、いつでも侵攻できるよというサインです。

だからこそ、北朝鮮は毎回、激烈な言葉で軍事演習に対しての反発を行ってきていたのです。逆に言えば、軍事演習を行うと、北朝鮮は反発せざるを得なくなり、信頼醸成(北朝鮮に意味があるかは別として)の構築は遠のくということになります。

そのように考えると、今回の米韓合同軍事演習の終了は実際に米朝首脳会談で決定したのかは不明ですが、金正恩委員長にとっては国内向けに成果としてアピールできる話となります。

アメリカが敵対的行動を取らなくなったのは、金委員長が直接トランプ大統領と会談したからだと言えるようになるのです。

アメリカから見た見方

アメリカ側から見るとトランプ大統領が言う通り、「節約のため」というのが大きな理由でしょう。しかし、ここで問題なのは、米朝首脳会談で非核化に向けた合意もできていない中で、何故この決断に至ったのかということです。この決断はアメリカが軍事的には圧力を減らすというメッセージを北朝鮮に伝えることになろうことは、アメリカ側は予想できていると思います。

それでも、この決断を行った背景には韓国の文在寅大統領に対しての不信感が原因でしょう。実際にトランプ大統領は昨年の9月のツイートで韓国に対して「宥和」を意味する「appeasemwnt」という単語を使い、韓国側の親北朝鮮的な動きに対して、不満を表明しています。

余談ですが、日本のレーダー照射問題に関しても、櫻井よしこ氏をはじめ複数のジャーナリストから、あの漁船に乗っていたのは金委員長暗殺を企てて失敗したグループだったという説があることを紹介しています。そのグループが日本に逃げようとしていたので、北朝鮮が韓国に連絡して、捕まえさせたというのです。だからこそ、人命救助のはずなのに、韓国の軍艦が来ていたし、日本側に見られてまずいので、レーダー照射を行って自衛隊機を追い払ったという説があるといいます。

これが事実かはともかく、こういった話に信ぴょう性がでるくらい、韓国が北朝鮮に傾斜していることは、世界中で知られるようになってきています。この中で、米韓が合同軍事演習を行うということは、アメリカの軍事作戦時の動きやデータがそのまま北朝鮮に流されることを恐れた結果の合同軍事演習の中止ということも考えられます。

韓国の見方

韓国を見れば、今回の米朝首脳会談に大いに期待していたようですが、何の合意もなく落胆していると報道されています。先述のように北を民族の同胞として応援する立場の文在寅政権から見れば、制裁の解除がなかったのですから、これはその通りでしょう。

今後を考えるときに、韓国の現政権が北朝鮮に対してどのような未来図を描いているのかが重要になります。

文在寅大統領は左派で南北融和に積極的だった盧武鉉大統領の秘書室長で、学生運動出身です。就任前から新北朝鮮の立場であると言われていましたが、現在は「従」北朝鮮と呼べるような政策を取っています。

韓国の国防白書から「北朝鮮軍は敵」という表現が削除されたり、昨年9月の平壌宣言とともに締結した軍事分野同意書に基づき、監視所や地雷撤去に合意したりと、韓国軍の武装解除を進めています。

こうした「従」北朝鮮政策の行きつく先は北朝鮮主導の朝鮮半島の統一でしょう。文在寅大統領の発言の中でも北朝鮮と同じ民族であること強調する言葉が何度も出てきています。 先の平壌宣言でも民族自主と民族自決という将来の統一に向けた文言がでています。そのように考えると、今回の米朝首脳会談には失望したが、その後の米韓合同軍事演習の終了は文在寅大統領から見れば望外の喜びだったのではないでしょうか。

北朝鮮主導の朝鮮半島統一の危険

米、北、韓国の3ヵ国からの見方を紹介してきましたが、これを総合して考えると、北主導の朝鮮半島統一の危険性が高まってしまったと言えます。韓国の主敵は北朝鮮のはずですが、文在寅大統領は民族の同胞と認識しています。米国はそのような韓国にコミットする気はなく、軍事情報が北朝鮮に筒抜けになるくらいなら、韓国との合同軍事演習などやりたくもないという態度です。

そして、今後は在韓米軍撤退という話にもつながってくるでしょう。北朝鮮は、今後も北に従属してくれる韓国を徹底的に利用するでしょう。民族団結を旗印に、制裁逃れの裏口援助をすでに求めていることも考えられます。

実際に日本海での北朝鮮船籍への背どりが自衛隊によって確認され、国連にも報告されているという現状があります。この韓国の「従」北朝鮮の姿勢は、文政権である限り、今後も根本的には変わらないでしょう。

まとめ:北朝鮮の核が民族の核となる危険

朝鮮半島統一のために、まずは文化的・経済的交流を拡大し、一国二制度による高麗連邦のような連邦制国家にするのが第一段階となります。これは経済的には別の体制だが、軍事・外交は一体となる国家を作るということです。こうなれば、当然核を持っている北朝鮮が優位に立つことになります。

その第一段階を経て、統一国家の首班を決める選挙を行えば、かなり高い確率で金正恩委員長が選ばれるでしょう。北朝鮮は100%金委員長に投票するでしょうし、韓国側の民族の核を持って日本と対峙できるという欲望に飲み込まれる可能性が高いからです。

このように考えると、現在の韓国の執拗な日本に対する挑発は、将来の朝鮮半島統一時の一致できるスローガンとしての「反日」の意識を韓国民に植え付けるためではないかという見方もできます。日本人としては、当然そのような挑発には毅然と対応しながらも、そのような危険性があることを認識しておく必要があると思います。

米韓合同軍事演習にはこのような背景があり、民族の核という危険なキーワードに惹かれた韓国を北朝鮮優位のうちに飲み込んでいくという見方は、他とは違った見方と言えるのではないでしょうか。

米朝首脳会談・制裁解除なし-「トランプ大統領は本当に交渉の天才かもしれないよね」

解説:米朝首脳会談は合意無しの物別れに終わりましたが、妥協すると見られていたトランプ大統領ですが、北朝鮮が公表していない秘密の核施設の情報開示を突きつけました。この情報があったからこそ、トランプ大統領は安易な合意をしないという正しい選択をしたのです。

北朝鮮は足元を見られていた?

今回の会談で北朝鮮側は寧辺の核施設の廃棄をカードとして出してきました。これの引き換えに、アメリカから制裁解除を要求しましたが、アメリカ側はこれを呑まず、最終的に合意なしで終わってしまいました。

合意なしになる予兆は2日目の拡大会合の際に対北朝鮮強硬派のボルトン大統領補佐官の出席で見えていました。ボルトン氏は事前の随行者リストには載ってなかったにも関わらず、拡大会合に出席したのです。

もちろん、会合内容は非公表なので、具体的に表に出てくることはないですが、これまでの経緯とその後の発言から読み解ける点があります。

北朝鮮側から親書を送ってきた

第一に、北朝鮮への経済制裁がある程度は効いているということです。今回の第二回の米朝首脳会談のはじまりを思い出せば、金正恩委員長がトランプ大統領に新書を送ったことが出発点です。

そこから事前協議があり、なかなか上手くいっていないとの報道がありました。その中でトランプ大統領の非核化は急がないというような融和的な発言や、いわゆるロシアゲート疑惑や側近の暴露などのスキャンダル問題でトランプ大統領がポイント稼ぎのために、安易な妥協をするのではないかとの目測が立っていました。そして、今回の会談で、北朝鮮側の要求として寧辺の核施設廃棄の見返りに経済制裁の解除を要求してきました。

ここで、前回の米朝首脳会談前と比較してみると、前回の第一回米朝首脳会談前は経済制裁はもちろん、アメリカが空母を北朝鮮周辺に展開し、軍事的に最高潮に近い状況まで圧力を掛けていました。いわば命を狙うという脅しを受けていたのです。

しかし今回は、経済制裁は続いているものの、軍事的には前回ほどの圧力が掛かっているわけではないにも関わらず、北朝鮮側から親書を送ってきているのです。

表に出ている事実だけのラインをなぞれば、金正恩委員長から会談を呼びかけて、経済制裁の解除を要求してきたということになります。これは北朝鮮がアメリカに対して下手に出ざるを得ない状況があるということです。

現状では核を手放す気はない

第二に、北朝鮮は核兵器を手放す気はないということです。今回の経済制裁解除の見返りに挙げたと言われているのは寧辺の核施設の廃棄です。逆に言えば、寧辺の核施設の廃棄以外は行わないと言っているのです。これは、既に核兵器が小型化され、北朝鮮国内に分散して保管されている可能性を考えると、アメリカに北朝鮮を実質的に核保有国として認めろと言っているに等しいことです。

金正恩委員長にとって、核こそがアメリカの大統領を釣るエサであるし、国内の権威の正当性を確保する神器であるのですから、それを廃棄することは身の安全を放棄することにつながるため、何とか捨てる振り、捨てた振りをして核を持ち続けるでしょう。逆に言えば、それまでは金正恩委員長が本気で核廃棄に動くことはないといえます。

北朝鮮はアメリカを甘く見ていた?

こうした北朝鮮側の前提を踏まえたうえで、北朝鮮側に立って今回の会談を見てみましょう。北朝鮮としては核兵器の完全廃棄はしないが、経済制裁の解除は欲しいという状況です。その中で、カードとして寧辺の核施設の廃棄というカードを切っています。

そして、この裏に隠している未発表の核施設があり、今後もそこで核開発を継続させる気だったことが判明したのです。つまり、アメリカ側に寧辺の核施設を廃棄とこれ以上の核開発をしないことを約束し、経済制裁を解除させ、その後また苦境に陥ったときに、秘密の核施設で開発していた新型核を実験する気だったということです。

それを見抜いていたアメリカ側のボルトン補佐官が、拡大会議の中で秘密の核施設の存在の情報開示を求め、北朝鮮側はそれを拒否したことで、合意なしの会談になったというのが真相のようです。事前の実務者協議では上手く行っていなくても、妥協をしたがっているトランプ大統領との直接の首脳同士で話を付けられると思っていた金正恩委員長から見たら、大誤算だったと言えるでしょう。

トランプ大統領の交渉力

今回の合意なしという結果はトランプ大統領の真骨頂だといえます。これまでもTPP、パリ協定など、国際条約から離脱し、交渉の為なら外交儀礼さえも無視できるトランプ大統領だからこそ、北朝鮮側はトップであるトランプを丸め込めば実務者協議を無視しても、制裁解除が勝ち取れると読んだのでしょう。

しかし、それを逆に利用したトランプの交渉力は見事で、秘密の核施設の情報開示を迫るというカードで、北朝鮮の動きを止めたのです。今後、北朝鮮はまた会談をセットする努力から始めないと行けない状況になりました。

北朝鮮がその努力をしないのであれば、経済制裁が継続するだけです。そして、その経済制裁が効いていることも今回の会談で明らかになりましたから、北朝鮮としては経済制裁解除というゴールに向けて、努力はしないといけない状況に追い込まれました。

このような結果を考えると、トランプ大統領の交渉力はずば抜けているという違った見方で見られるのではないでしょうか。

米朝首脳会談・合意せず-「次は日朝首脳会談で拉致問題解決を」

解説-全世界が注目していた二回目の米朝首脳会談が想定外の結果に終わりました。何も合意ができないまま、終了してしまいましたが、これは日本にとっては及第点と言えると思います。

最悪の結果は回避された

今回の米朝首脳会談で日本側にとって最悪のシナリオはトランプ大統領が目先の成果のために安易な妥協で合意してしまうことでした。具体的には完全な核廃棄を目指さず、アメリカに届くICBMの廃棄を持って、制裁解除に合意することです。今回はこの最悪なシナリオが回避されたという点においては、日本側としては胸をなでおろす結果だったと言えます。

会談前のトランプ大統領の発言等々からは、核廃棄に対して少し妥協的な様子が見て取れたうえ、いわゆるロシア疑惑の報告書が発表される見込みということで、そこから目をそらすために妥協的な合意をする可能性がありました。

実際にアメリカ向けのICBMの廃棄のみで合意をされていた場合、日本へ届く短距離ミサイルは残るということになり、アメリカが核の全廃棄を諦めたということなので、実質日本に向けた核を備えた実質核保有国の北朝鮮が残るという最悪の結果になるところでした。

しかし、事前の事務方の協議が順調に進んでいないという話はありましたが、それでも実際にランチの予定をキャンセルして、席を立つことができるトランプ大統領の交渉はなかなかできることではないと思います。この合意なしという結果は、金正恩にとって大きなダメージになる一手です。

メンツ丸つぶれの金正恩

今回、ベトナムのハノイで会談が行われたのですが、金正恩委員長は陸路で現地入りしています。前回の第一回のシンガポールでの会談では、飛行機で現地入りしています。陸路でベトナムに入るということは、時間もかかるし、今回は前日から現地に入っています。

この事実を別角度から見ると、金正恩委員長が以前より国内の権力基盤を強化できているということです。これだけ長い時間、北朝鮮を離れることができるということは、政変が起こる可能性が低くなっていることを意味します。

これには前回の米朝首脳会談が関係しています。核兵器と長距離ミサイルの開発を進めたことによって、父親の金正日ができなかったアメリカの大統領との1対1の首脳会談を行ったという「絵」は金正恩委員長から見れば、北朝鮮外交の集大成とも呼べるものでした。

それが一転、第二回の今回の首脳会談では何の合意もできず、制裁解除どころ、緩和すらなしの手ぶらで北朝鮮に帰らなくてはなりません。金正恩委員長にとってはメンツ丸つぶれなのはもちろん、国内の求心力の低下にもつながりかねません。

日本はいまこそ日朝首脳会談を

北朝鮮の金正恩にとっては悪い結果になった第二回の米朝首脳会談ですが、これを日本目線で見てみたいと思います。

今回の首脳会談で金正恩委員長は成果を持ち帰ることができず、帰国することとなりました。しかも、次回の会談の約束もなかったということが、重要な事実だと思います。

先述した通り、金正恩委員長の最大の功績は父親ができなかったアメリカの大統領との1対1の会談に引っ張り出したということです。今後、米朝首脳会談ができない可能性があるということは、金正恩委員長の外交成果の無効化を意味し、これは金正恩委員長を窮地に追い込む可能性があります。

1対1でアメリカの大統領と直接会談を行い、北朝鮮の指導者としてアメリカの大統領に認められたという虚構が崩れていくからです。特に若くして世襲で独裁者となった金正恩委員長にとって、これは権力の正統性の大きな柱を失うことを意味します。制裁緩和を見込んでいた北朝鮮にとって、今回の合意なしの制裁緩和なしどころか人道支援すらなしという結果は予想外の結果と言えるでしょう。

ここで日本が出ていくべきです。すでに安倍総理が「次は私自身が金氏と向き合わなければならないと決意している」と述べています。アジアの大国である日本の首相と金正恩委員長が1対1で会談をするという「絵」は、今の金正恩委員長にとっては喉から手が出るほどほしい「絵」ではないかと思います。

つまり、今回の合意失敗で「日朝首脳会談」というカードの価値が上がったと言えます。言うまでもなく、日本には最重要課題の拉致問題の解決という課題があります。この状況を利用し、日朝首脳会談や不本意ですが、例えば人道支援と引き換えに何とか同胞を取り返せるように外交を行ってほしいです。

まとめ:拉致問題という不幸を逆に武器に

この状況では拉致問題という不幸な問題があるからこそ、日本ができる独自外交があると思います。具体的には、拉致問題の解決が名目であれば、日本だけが北朝鮮に公式にお金や物の援助ができるという点です。誘拐犯にお金を払うようなもので、私個人としては到底納得はいきませんが、前のエントリーでも書いたように、軍事力が使えない日本国憲法の下では、使えるものは何でも使って、拉致被害者を取り戻すという大目標のためには、涙を呑んでもやるべき外交だと思います。

このような日本側という見方で今回の米朝首脳会談を見ていけば、他とは違った見方ができてくるのではないでしょうか。