「金正恩委員長は死亡しているかも?」-北朝鮮・金平一

解説-北朝鮮の金正恩委員長が死亡している可能性が出てきています。最近、北朝鮮では異例な事がいくつか起こっており、それらを総合してみてみると、金正恩委員長が死亡し、権力の移譲が行われている可能性があるのです。

もし、これが事実なら、今年の北朝鮮情勢は大きく動く可能性があります。拉致問題に関しても新しい動きがある年になるかもしれません。

-北朝鮮三つの異変

一つ目の異変は、2019年末に行われた朝鮮労働党中央委員会総会が四日間も開催されたことです。北朝鮮のような独裁体制の国家では、総会は形式的なものに過ぎず、独裁者が決めたことを承認するだけの儀式なので、通常は一日で終わるものです。

それが、特に年末は一年の総括を行う時期で、そのような忙しい時期に形式的な儀式を四日連続で実施するのは、異例のことです。これは、独裁者が不在だったので、いつもの儀式ではなく、実際に方針を決める必要があったから、四日間も開催されたのではないかと見ることができます。

二つ目の異変は、新年の辞の挨拶がなかったことです。北朝鮮では正月に金正恩委員長が発表する新年の辞を暗記するというイベントがあり、幹部によるテストが行われてきました。北朝鮮住民にとっては正月のつらいイベントだったのですが、今年は新年の辞が見送られました。

これまで7年連続行われてきた新年の辞を見送るというのは、これも大きな異変と言えます。テレビに出ることができない状況であるのかもしれないという見方もできます。

三つ目の異変は、金正恩委員長の叔父である金平一氏が北朝鮮に帰国したことです。金平一氏は故・金正日氏の異母弟で、金正日氏との後継者レースに敗れ、ハンガリー大使に就任して以来、ヨーロッパの大使を複数務めてきた人物です。

当時から、独裁者に暗殺されないように、目立つ動きや発言は全く行っていませんし、金正日氏の後を金正恩氏が権力の座に就いた後も、恭順を示し続けてきた人物です。金正男氏が暗殺された当時は、血統を消す目的で金正男氏が暗殺されたのであれば、次は金平一氏が狙われるのではないかという声がでましたが、当時就任していたチェコ大使館と官邸だけを行き来し、誰とも接触せず、金正恩委員長に恭順を示し続けてきたことで、今日まで命を長らえてきました。

この帰国のニュースの後、金平一氏は後継者レースに敗れて以降、31年間も北朝鮮国外にいたので、国内に支持者がいる可能性は低く、今の政権を脅かす要素がない上に、逆に海外に置いておくことで、反対勢力が金平一氏を担ぐリスクの方が大きいと判断した為、今回の帰国が実現したのだろうという見方がありました。

確かに、表向きはそうかもしれませんが、私は今回の帰国は家族を伴って帰国していることに注目します。これは、本人だけでなく、家族の命も補償しますという約束があっての帰国であることを意味するからです。 今後は北朝鮮国外に家族を逃がしたり、逃げる必要がない立場になる、つまり金平一氏の政権入りを意味しているのではないかと思います。ここにきて、叔父である金平一氏を政権に迎えなくてはならない理由が出てきたということです。

その理由は何かと言えば、金正恩委員長から権力が移譲される事態が起こっている可能性があるということです。つまり、金正恩委員長が死亡している可能性があるのではないかと考えます。以前から、太りすぎや酒の飲みすぎで、糖尿病であることは何度も報じられていましたが、病気の悪化で死亡した可能性は十分にあると思います。

-後継者は妹の与正氏か?

もし、金正恩委員長が死亡しているとすれば、後継者は誰になるのか。まず、北朝鮮の指導者になるには一つのルールがあります。それは「白頭の血統」を継いでいることです。 「白頭の血統」とは北朝鮮建国「神話」の祖である金日成の血統を継いでいるものでないと指導者にはなれないのです。

つまり、金一族でないと指導者になる資格がないのです。金正恩委員長にはまだ権力を移譲できる子供はいません(3人の子供がいるという話はありますが、まだ幼いと見られます)。そうなると、後継者として有力になってくるのが、妹の与正氏です。

与正氏は2019年の12月に軍に女性軍人への配慮を指示する号令を直接かけたと言われています。これまで、宣伝扇動部にいるとされてきた彼女が軍に号令を出すことは越権行為であり、異動が行われた可能性があります。

与正氏の目に見える失政がないことを考えると、異動は栄転である可能性が高く、宣伝扇動部より上位の異動先は党組織指導部しかありません。党組織指導部は北朝鮮の政務と人事を一手に掌握する機関であり、党組織指導部長は北朝鮮最強の官僚ポストと言われています。

また、昨年の6月に韓国の東亜日報が「金与正氏、指導者クラスに格上げ」というニュースを報じたことと合わせると、金与正氏が後継者として仕事ができる体制は整っていると言えます。

金平一氏はこの金与正氏政権を支えさせるために、帰国したのではないでしょうか。特にこれから権力基盤固めをする中で、謀反の疑いが少ない親族で権力を固める際に、北朝鮮国内に背景が居ない親族である金平一氏は良いピースになると考えた可能性があります。

まとめ:今年は北朝鮮情勢が大きく動く可能性も

これまで、金正恩委員長死亡の可能性を見てきましたが、北朝鮮という国は情報が出てこないため、この見方もあくまで推測にすぎません。ただ、三つの異変を見ていくと、死亡しているという可能性もあるのではないかと私は考えます。

「指導者が不在で、上に報告が挙げられないから、北朝鮮はアメリカの交渉で妥協できず、強硬に出ざるを得ないのではないか。上からの指示が出ないと、現場は勝手に妥協できないから、交渉は自然と強硬になるものだ」(趣旨)という嘉悦大学教授の高橋洋一先生の意見も傾聴に値する傍証だと思います。

金正恩委員長が表舞台に出てこない状況がいつまで続くのかはわかりませんが、もし無事に姿を現したとしても、今後、三つ目の異変である金平一氏の帰国後の処遇から、今後の北朝鮮の進む方向性を見いだせるのではないかと思います。

今回は、かなり思い切った推測を含めた「見方」でしたが、皆さんはどうお考えでしょうか。


投稿者: ミカタマン

福岡県出身、熊本在住の普通のサラリーマン。2児の父親です。ニュースを見てひとりで文句を言うのが趣味です。その趣味が高じてこのブログを立ち上げました。

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