食品・生活品の値上げ-「デフレ脱却する為には歓迎すべきことでしょ」

解説:各種生活用品・食料品の値上げが各企業から発表され、マスコミを中心に毎度おなじみの家計が苦しくなるという論調です。そして、それと同じ口調で日銀が物価目標(インフレ率)2%を達成しないことを批判します。これは完全に矛盾しています。

値上げ=物価目標に近づくということ

言うまでもありませんが、物価が上がるということは、私たち消費者から見れば、購入する物やサービスが値上げになるということです。しかし、政府・日銀が目標としている物価目標(インフレ率)を達成させるという視点から見れば、物やサービスが値上がりしないといけません。

ということは、各企業が値上げをすることは、日本経済全体から見たら良いことです。①物価が上がる→②従業員の給料が上がる→③購買意欲が旺盛になり、みんなが消費をする→④みんながほしいから物やサービスの値段が上げられる状況になり、①に戻るというのが、経済が成長していくために理想的なサイクルです。

しかし、日本はバブル崩壊以降の「失われた20年」とも言われる低成長時代の中で、給料も上がらず、ロストジェネレーションと呼ばれる就職難も経験し、吉野家の牛丼や100円マックに代表されるように物価が下がるデフレに慣れてしまっています。

そのため、正常な物価目標に近づくために必要な値上げに対してもネガティブな感情を持ってしまっているのです。この状況を変えるためにも、国民の一人ひとりが物価目標と値上げの関係をはじめ、経済に対しての知識を得ていくことが必要です。

個人消費を伸ばすこと

個人消費は日本のGDPで60%を占めます。個人消費が伸びていかないと、日本経済も成長していかないのです。個人消費を伸ばすために必要なことは、もちろん、国民一人ひとりが多く買い物やサービスを利用することです。当然ですが、給料が増えないのに、買い物やサービスの利用を増やすことはできません。特に失業して仕事がなければ、買い物をするどころではありません。

そういう意味では、今の日本はようやくデフレ脱却のチャンスを迎えているといえます。失業率は2.5%前後を推移しており、有効求人倍率は全都道府県で1を超えています。また、リーマンショック後からは賃金も上昇率は低いですが、右肩上がりで上がっていっています。

失業率が下がり、人手不足となれば、各企業は労働力を確保しようとします。そのためにブラック企業と呼ばれる従業員への待遇が悪い企業は体質を改善するか労働市場で淘汰され、人材確保のために給料を上げる企業もでてきます。それでも労働力を確保できない企業は自動化やAIに投資し、生産性を上げようとします。結果として、自動化やAIの分野の成長が見込めます。そうなれば、日本全体の経済が成長し、GDPも押し上げ、給料が増えることで、個人消費も増えることが期待できます。

消費増税が個人消費を冷やす

現在の日本はそのような良いサイクルに入る一歩手前まで来ているのです。それに冷や水を掛けるのが今年10月に控える消費増税です。3%→5%のとき、5%→8%のときのどちらも経済指標を見れば、日本経済にとって悪影響を与えているのです。しかし、そんな難しい指標を見なくても、普通の私たちの国民生活で考えても、消費税が上がってからいっぱい買い物しようなどと思う人はいません。

ということは、確実に個人消費を押し下げる効果を発揮し、デフレへ逆戻りしてしまうことが予想されます。先述のGDPの約60%を占める個人消費が落ち込むということは、日本経済全体が衰退していきます。

中国の景気減退がはっきりしてきている上に、米中意貿易戦争、イギリスのブレグジットといったいずれも景気に「リーマンショック級」の悪影響を及ぼす可能性がある問題を世界経済が抱えている状況での消費増税は自殺行為と言えます。

国民全体として、消費増税に反対する機運を高めていくことが日本経済を救う道だと思います。国民一人ひとりができることは限られていますが、私自身は首相官邸や地元の議員にメールを送るとか、SNSで消費増税反対を拡散するとかの出来る行動を諦めずに取っていきます。

まとめ:「人件費」が値上げのひとつの原因

消費増税反対から、今回の値上げの話に戻して、話を締めたいと思います。今回の生活用品・食料品が値上げされる要因としては、多くの企業が原材料費・運送コスト、そして「人件費」が上昇したことを挙げています。

「人件費」が上昇するということは、先述の良い経済サイクルに入ろうとしていることの証拠でもあります。個人消費が増え、デフレ意識を克服するチャンスが来ています。 そのためにも国民一人ひとりが値上げと物価目標の理解を深め、「値上げで家計が大変」というだけのマスコミ報道に流されないようにする必要があります。

このような背景を理解して、目先の値上げで家計が辛いという目線とは違った視点で見ている今回の台詞も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。


投稿者: ミカタマン

福岡県出身、熊本在住の普通のサラリーマン。2児の父親です。ニュースを見てひとりで文句を言うのが趣味です。その趣味が高じてこのブログを立ち上げました。

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