統計不正問題-「統計職員の人数が少なかったことが本質でしょ」

解説:厚労省の不正統計問題が収まる気配がありません。国会でも追及が続いており、いつの間にか政府の圧力があったのかという話にまで発展しています。もちろん、統計とは様々な政策を作る基になるデータであるため、そこに不正があれば正さなければならないことは言うまでもありません。しかし、野党やマスコミがこれを政争の具にして、安倍総理への追及に利用している姿は、本質を見失っているのではないでしょうか。

厚労省の不正統計は民主党の時代から行われてきたことであり、自分たちが政権を取っていた時には見付けることができなかったのに、今回のようにたまたま発覚した時の安倍政権がすべて悪いし、圧力があったのではないかという論調には全く説得力がありません。

そもそも統計職人の人数が足りていたのか?

今回の問題については、統計において全数調査という対象となる集団全部を調査する方法でやりなさいというマニュアルに反して、抽出調査という集団全部ではなく、一定数のサンプルを抽出して統計を取っていたという問題です。もちろん、マニュアルに反したことを行っていたのですから、虚偽統計ということになります。ここでの問題の本質は何故マニュアルに反して全数調査をしなかったのか、もしくはできなかったのかということです。

ここで、統計職員の数という視点で見てみると、2004年に人口10万人当たり5人いた統計職員は2018年には人口10万人当たり2人にまで減っているのです。これだけ人数が減っていながら、同じマニュアルに従って全数調査を続けなさいというのは、そのマニュアルを変えるべきではないかというのが普通ではないでしょうか。

また、海外では統計職員には理系のプロで博士号を持った人材も多くいて、社会的な地位も大会のですが、日本では社会的地位も高くなく、役所の中でも偉くなれないため、優秀な人材が統計職人にいないという問題もあります。

統計学的に見れば、全数調査からサンプルを抽出して行う方式に変えても、大きな精度の狂いはないといいます。そうであるならば、今回の問題を機に統計のあり方を見直すための議論をするというのが、国権の最高機関である国会の仕事だと思います。

省庁横断型の統計調査庁の設立が解決策

厚労省以外でも統計に関して問題が発覚し、今後は日本の役所が発表する全ての統計について、国民や国際社会から疑念の目で見られてしまうようになってしまうことは、日本にとっても大変残念なことです。国民と国際社会からの統計に対する信頼を回復するための議論を国会では行ってほしいと思います。

まずは先述した統計職員の人数を増やすことが必要ではないでしょうか。そして、現在はそれぞれの省庁にそれぞれの統計職員がいるという状況ですが、この仕組みを変えて、統計調査庁(仮名)のような、すべての統計を一括で行う機関を新設すべきです。

その上で、統計調査庁(仮名)には海外のように理系のプロの優秀な人材を集めるようにして、統計学的に最も効率が良く、精度も確保できるやり方で統計を行えるようにすれば、統計の信頼回復にも繋がるでしょう。

まとめ:理系の官僚の増加と地位向上を

今回の問題では統計の手法のやり方がマニュアルに沿っていなかったということが、最初の原因でしたが、私も含めて、統計学に精通している人がどれくらいいるでしょうか?また、そういった理系のプロは官庁内では出世ができず、地位も低いため、優秀な人材が官僚になっていないという現実があります。事実、財務省の事務次官は東京大学の法学部卒ばかりで文系のトップと言える人しかなれません。

しかし、実際には経済政策においても、年金や社会保険料の安定運用にしても、国の政策においては数字が大事です。そういった数字に精通した理系のプロがきちんと能力と仕事に見合った対価と地位を得られるような官庁体制にすることが、長い目で見た時に日本の国益になると思います。

不正統計の中身だけでなく、そうした不正統計を行うに至った動機にまで目を向けており、人とは違った視点と言えるのではないでしょうか。


投稿者: ミカタマン

福岡県出身、熊本在住の普通のサラリーマン。2児の父親です。ニュースを見てひとりで文句を言うのが趣味です。その趣味が高じてこのブログを立ち上げました。

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