米朝首脳会談・北朝鮮訪問-「トランプ大統領はただのパフォーマンスじゃなくて、罠を仕組んでいるかも」

解説:大阪G20後にビックプライズがありました。トランプ大統領がツイッターで金正恩委員長に会いたいと発言し、翌日に米朝首脳会談が実現するという驚きの展開となりました。

あまりのも突然決まったサプライズ会談の為、事前の実務者交渉がなかったこともあり、成果としては少なく、非核化協議の再開の合意のみでした。しかし、トランプ大統領が軍事境界線を越えて、金正恩委員長と一緒に北朝鮮の領土に足を踏み入れました。このことは、ただのトランプ大統領のパフォーマンスというだけではなく、今後、北朝鮮にとって大きな罠となる可能性があります。

-イラン制裁で武器が売れない北朝鮮

今回の会談はトランプ大統領のツイッターによる呼びかけに金正恩委員長が反応して実現するという異例な会談でしたが、大枠で見てみるとアメリカの呼び出しに北朝鮮が応じたという形になっています。

北朝鮮が無条件にアメリカの呼び出しに応じることも異例ですし、事前の協議がないままにトランプ大統領と対峙することもリスクを考えると異例と言えます。

逆に言えば、北朝鮮がそれだけ追い込まれていると見ることもできます。その背景にはトランプ大統領のイランへの圧力強化があります。イラン革命防衛隊をテロ組織に指定した他、原油に対しても制裁を強化しています。

イラン政府は否定していますが、イランと北朝鮮は核技術を含めて取引関係にあり、北朝鮮の外貨獲得のお得意先はイランと言われています。北朝鮮自身への制裁だけでなく、得意先のイランの資金まで絶たれつつある状況です。

特に先月のホルムズ海峡でのタンカー攻撃の証拠映像で、アメリカがイラン周辺を徹底的に監視していることが明らかになった以上、北朝鮮がイランと大きな軍事的取引をすることは不可能なのが現状です。

加えて、第二回米朝首脳会談が物別れに終わってしまい、その後に中国とロシアと会談しましたが、資金援助の話はまとまっていません。トランプ大統領への親書を再度送るほど金正恩委員長は追い込まれつつあり、その中でのトランプ大統領からの今回のツイッターの誘いは背に腹は変えられないということで、呼び出された形になっても会談に出てきたのではないでしょうか。

-トランプ大統領が北朝鮮国内に入った意味

そのサプライズの米朝首脳会談時に、トランプ大統領は米国の大統領として初めて北朝鮮国内に足を踏み入れています。(余談ですが、この時周囲に大統領を警護するシークレットサービスはいなかったということです。敵国の兵士が周りを囲んでいる中でこの行動力と勇気は単純にパフォーマンスとだけは言い切れないのではないかと個人的には思います)この行動が後々効果を生むのではないかというのが私の今回の見方です。

トランプ大統領流のサプライズとは言え、アメリカの大統領が北朝鮮に足を踏み入れたという事実は、そのまま同じように金正恩委員長もアメリカの領土に足を踏み入れることができるということになります。

これは今後の米朝首脳会談の開催地が第3国以外でも開催が可能になる可能性が高まったということです。現実的に次の米朝首脳会談がすぐにアメリカで開かれる可能性は少ないと思いますが、アメリカ側は交渉のカードとしては開催地カードを得たことになります。

また、より重要なことは今回のトランプ大統領の行動で、アメリカは北朝鮮の平壌での開催も提示しやすくなりました。これも、一度トランプ大統領が北朝鮮の領土に足を踏み入れたからです。軍部を初めとする反対派が「敵国の首脳を入れるわけにはいかない」と反対しても、一度入ったことがあるという事実は大きく、反対派の批判派今回のトランプ大統領の越境を許可した独裁者・金正恩委員長批判に繋がる為、反対派の声は小さくならざるをえません。

まとめ:北朝鮮で会談を開催する意味

北朝鮮の平壌にアメリカのトランプ大統領が訪問して会談する意味は大きいものがあります。これまで不倶戴天の敵としてきたアメリカの大統領を国内に迎えることで、朝鮮戦争の終結への機運を高めることが出来ます。また、金委員長としても歴代の指導者が出来なかった敵国のアメリカの大統領を北朝鮮国内に招いて対等に会談をするという絵を見せることができます。

トランプ大統領から見れば、平壌を訪問できれば、外交儀礼として、次は金委員長がワシントンに行くことになりますので、実質的に「国交正常化=これまで歴代の大統領ができなかった朝鮮戦争の終結」への道筋が付くことになります。(トランプ大統領が欲しがっているといわれるノーベル平和賞は確実でしょう)

日本の立場から見れば、完全な非核化と拉致問題の解決なしに朝鮮戦争終結と米朝国交正常化は到底受け入れられませんが、大統領選挙前とトランプ大統領個人の資質を考えると、今回のサプライズ会談が米朝関係の大きな分岐点になる可能性を否定できません。

このように考えると、今回の会談もただのトランプ大統領のサプライズパフォーマンスだけではない歴史的な会談となる可能性もあるのではないでしょうか。このような見方も人とは違った見方と言えるのではないでしょうか。


投稿者: ミカタマン

福岡県出身、熊本在住の普通のサラリーマン。2児の父親です。ニュースを見てひとりで文句を言うのが趣味です。その趣味が高じてこのブログを立ち上げました。

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